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医学部

入学定員 105名、修業年限 6年

教育研究上の目的

 働く人々の健康と環境に医学の眼でアプローチする産業医は、産業の発展と活性化を支える意味からも、21世紀において極めて重要な役割を担っています。医学部では、医学を産業社会の中でより深く、より広い視野から考えることのできる人間性豊かな産業医を養成します。

ディプロマ・ポリシー(卒業認定・学位授与の方針)

 医学部医学科では、「医学及び看護学その他の医療保健技術に関する学問の教育及び研究を行い、労働環境と健康に関する分野におけるこれらの学問の振興と人材の育成に寄与する」という本学の目的及び使命を理解し、本学が規定する修業年限以上の在学のもと、医師として必要な知識・技能・態度を修得するとともに、次に示す豊かな人間性と倫理性、科学的能力を備え、産業医学分野の研究及び産業保健の実務において中心的かつ指導的役割を担う資質と能力を身につけ、卒業に必要な時間数を修得し、その修了の認定を受け、かつ、総合試験及びPost-CC OSCEに合格した者に卒業の認定を行い、学士(医学)の学位を授与します。

  1. 人間性・医療倫理・プロフェッショナリズム
    医師としてふさわしい豊かな人間性を身につけるとともに、その職責を自覚し、倫理観・使命感・責任感を持って、社会に貢献することができる。
  2. 医学的知識・技能
    医師としての業務を行うために必要な基礎医学・社会医学・臨床医学に関する基本的知識と技能を修得し、疾病の予防、診断と治療、研究に活用することができる。
  3. 産業医学的知識・技能
    産業医学の使命及び産業保健の意義を理解し、産業医学の研究及び産業保健の実務において中心的かつ指導的役割を担う医師としての必要な専門的知識と技能を修得し、実践することができる。
  4. 患者及び働く人への適切な対応能力
    医師としての信頼を得られる思考と態度を身につけ、患者及び働く人の尊厳・意思を尊重して相互理解と信頼のもとに適切な対応ができる。また、治療と職業生活の両立支援に関する専門的知識を修得し、疾病の予防、診断、治療及び社会復帰に関して適切かつ総合的に判断することができる。
  5. 科学的探究心・問題解決能力
    医学及び産業医学における研究の意義を理解し、科学的な観察力・思考力・表現力を修得し、生涯にわたり自己研鑽を続ける意欲を持ち、自ら問題を解決することができる。
  6. コミュニケーション能力
    患者、働く人及びそれらに関わる人たちと良好な人間関係を築き、適切な情報交換共有、説明伝達を行うことができる。また、多職種の医療チーム内で信頼関係を築き、チームの一員として行動することができる。
  7. 国際保健
    国際的な視野を持ち、将来、産業医学分野における国際保健に貢献することができる。

カリキュラム・ポリシー(教育課程編成・実施の方針)

 医学部医学科では、医学を産業社会の中でより深く、より広い視野から考えることのできる人間性豊かな産業医及び産業医学・産業保健の発展に寄与する医師を養成します。
 これらの目標を達成するために、次のような教育課程を編成し、実施します。カリキュラムは、モデル・コア・カリキュラムを踏まえた医学教育と本学の特徴である産業医学教育に加え、人文社会系科目、医学概論及び研究室配属などの独自の内容で構成しています。

  1. 総合教育・医学基礎教育
    幅広い教養と高い倫理観をもつ豊かな人間性を培い、社会人としての素養を身につける内容とし、高等学校教育から大学教育・医学教育へと接続・連携する教育を行います。また、早期臨床体験実習等を通じて、患者との接し方や医師のプロフェッショナリズムの素地を作ります。さらに、将来国際人として活躍する医師にとって必要な英語教育は、医学的色彩の濃い医学英語として実施します。
  2. 基礎医学教育
    各授業科目間のみならず臨床医学との統合を図り、臨床医学の学修に必要な専門知識を学び、基礎学力を修得する内容とします。また、研究室配属では、科学的思考力、自主学習能力、問題解決能力等を学修し、科学研究における考え方や手法を学び、研究成果の発表を行います。
  3. 臨床医学教育
    講義、実習を通じて患者との相互理解の大切さを学び、疾病・病態を系統的に理解し、臨床における基本的知識・技能・態度を身につける内容とします。1年次から早期臨床体験実習を行い、高学年ではすべての臨床講座を網羅した臨床実習を大学病院において実施するとともに、大学病院及び関連・協力病院 において診療参加型臨床実習を行い、臨床的知識を深め実践的技能と臨床推論能力を修得します。さらに、海外医学部との相互交流で留学生とともに臨床実習を行い、国際的視野を広げることを目指します。
  4. 産業医学教育
    1年次から6年次の各学年にわたり、産業医学を系統的・段階的に学修し、産業保健活動に必要な専門的知識と技能を修得する内容とします。5年次には学外の事業場等において産業医の指導の下で現場実習を行い、産業保健活動で実践できる能力を身につけます。これらにより、初期臨床研修開始前に産業医の資格を取得できる内容とします。
  5. 少人数対話型教育
    多くの講義及び実習において少人数対話型教育を実施し、問題解決能力、論理的思考力・コミュニケーション能力を涵養します。
  6. 学修達成度の判定
    1年次から3年次に基礎総合試験、4年次に共用試験(CBT・OSCE)、5年次に総合試験(2)、6年次に症候論統合講義試験、総合試験(1・2)及びPost-CC OSCEを実施し、学年ごとに学修の達成度を判定します。

コンピテンス、コンピテンシー

 医学部医学科では、ディプロマ・ポリシーの項目である「学生が卒業時に修得すべき主要な能力」を「コンピテンス」として設定し、各コンピテンスの要素である「具体的な到達目標」を「コンピテンシー(観察可能な能力)」として設定しています。

Ⅰ.人間性・医療倫理・プロフェッショナリズム
 産業医科大学医学部の学生は、卒業時に医師としてふさわしい豊かな人間性を身につけるとともに、その職責を自覚し、倫理観・使命感・責任感を持って、社会に貢献することができる。

1. 医師として倫理的問題を理解し、倫理的原則に基づいて行動できる。
2. 医師として法的責任、規則を遵守できる。
3. 患者、社会、医療者に対して説明責任を果たすことができる。
4. 医師としての自尊心と生涯にわたり自己研鑽に努める姿勢を持ち続けることができる。
5. 常に自己を評価・管理し、自分の知識、技能、行動に責任を持つことができる。

Ⅱ.医学的知識・技能
 産業医科大学医学部の学生は、卒業時に医師としての業務を行うために必要な基礎医学・社会医学・臨床医学に関する基本的知識と技能を修得し、疾病の予防、診断と治療、研究に活用することができる。

 修得すべき項目
  1. 正常構造と機能
  2. 遺伝、発生
  3. 発達、成長、加齢、死
  4. 心理、行動
  5. 病因、構造と機能の異常
  6. 診断、治療
  7. 救急医療
  8. 産業保健
  9. 医療安全
  10. 感染対策
  11. 疫学、予防、公衆衛生
  12. 保健・医療・福祉制度
  13. 医療経済
  14. 医療情報管理・個人情報保護

Ⅲ.産業医学的知識・技能
 産業医科大学医学部の学生は、卒業時に産業医学の使命及び産業保健の意義を理解し、産業医学の研究及び産業保健の実務において中心的かつ指導的役割を担う医師としての必要な専門的知識と技能を修得し、実践することができる。

1. 労働条件と労働環境に関連する健康障害の予防、働く人の健康の保持増進、並びに福祉の向上に寄与し、働く人及び事業者に適切な教育を行うことができる。
2. 働く人及び事業者との円滑な意思疎通を図り、他の専門職とも協力して、職場の環境改善、働く人の健康増進にとりくむことができる。
3. 職務上知りえた企業秘密、働く人の健康情報を管理し、プライバシーを保護することができる。
4. 集団の健康管理及び組織体の健全な運営の推進を産業医の視点から総合的に判断することができる。
5. 地域環境・地球環境に配慮し、必要に応じて事業者に対し改善を要請する。

Ⅳ.患者及び働く人への適切な対応能力
 産業医科大学医学部の学生は、卒業時に医師としての信頼を得られる思考と態度を身につけ、患者及び働く人の尊厳・意思を尊重して相互理解と信頼のもとに適切な対応ができる。
 また、治療と職業生活の両立支援に関する専門的知識を修得し、疾病の予防、診断、治療及び社会復帰に関して適切かつ総合的に判断することができる。

1. 患者との良好な関係を構築し、患者から的確に病歴を聴取することができる。
2. 基本的な身体診察を行い、所見を認識できる。
3. 診療録についての基本的な知識を修得しPOS (Problem-Oriented System)を用いて診療録を記載できる。
4. 患者の病歴、診察所見から、臨床推論により適切な鑑別診断を行うことができる。
5. EBM(Evidence-Based Medicine)に基づいて診断し、適切な治療計画を立てることができる。
6. 医療文書を適切に作成できる。
7. 医療安全について理解し、実践できる。
8. 患者とその関係者の心理・社会的背景を理解し、患者に必要な病状説明を行い、患者の意思決定を尊重し対応できる。
9. 患者教育に参加できる。
10. 医療制度、社会福祉制度、医療経済を正しく理解し診療を実践できる。
11. 地域社会において、プライマリーケアの実践、疾病予防、健康増進、安全確保のための活動に参加できる。

 Ⅴ.科学的探究心・問題解決能力
 産業医科大学医学部の学生は、卒業時に医学及び産業医学における研究の意義を理解し、科学的な観察力・思考力・表現力を修得し、生涯にわたり自己研鑽を続ける意欲を持ち、自ら問題を解決することができる。

1. 未解決の医学的、科学的問題を発見することができ、その解決方法を科学的に考案することができる。
2. 医学・医療の発展のための医学研究の持つ社会的意義を理解している。
3. 研究倫理に関する基本的な知識及び医学研究に必要な基礎的な技術を身につけ、研究に関する法並びに倫理指針を遵守した研究活動を遂行できる。
4. 実験結果について論理的に考察し、研究発表や論文作成を行うことができる。
5. 最新の医学情報を収集し、論理的、批判的に評価し、正しく応用できる。

Ⅵ.コミュニケーション能力
 産業医科大学医学部の学生は、卒業時に患者、働く人及びそれらに関わる人たちと良好な人間関係を築き、適切な情報交換共有、説明伝達を行うことができる。
 また、多職種の医療チーム内で信頼関係を築き、チームの一員として行動することができる。

1. 患者とその家族の個人的背景、文化、社会的背景を理解し、傾聴、共感、理解、支持的態度を示し良好なコミュニケーションをとることができる。
2. 個人情報保護を含む患者の権利を尊重し、適切に対処できる。
3. 多職種の医療チーム内で信頼関係を築き、患者中心の医療のために情報を共有し、医師の責任を意識し、リーダーとして行動できる。
4. 他の医療者に、手順を守り適切にコンサルテーションできる。
5. 先輩、後輩、同僚、他職種医療者を尊重し、調和的な態度で行動できる。

Ⅶ.国際保健
 産業医科大学医学部の学生は、卒業時に国際的な視野を持ち、将来、産業医学分野における国際保健に貢献することができる。

1. 海外からの患者の診療、医療者との交流のため英語でのコミュニケーションができる。
2. 国際的な医療の社会的問題や産業保健の情報を収集できる。
3. 国ごとに異なる医療事情、産業保健事情を理解する。
4. 医学・医療に関する課題について、国際的視野に立って考察することができる。
5. 医療活動を通した国際協力に関心を示し、参加することができる。

卒前教育と卒後教育との一貫性

 卒前教育では、一般の医学教育に加え産業医学関連科目の教育を行っている。
 また、卒後教育では産業医学に関する専門的な講義と実習が行われる産業医学基本講座、産業医学卒後修練課程が設けられ、卒前、卒後と一貫性のある産業医学教育を行っている。

講座等

総合教育・医学基礎系(10)

行動科学

数理科学

生命科学

語学

基礎医学系(15)

臨床医学系(23)

卒後教育

健康管理の直接の担当者として、さらには労働衛生管理のリーダーとして、産業社会の中でこの期待に的確に応えていくために、産業医としての資質向上に努めていくための充実した卒後修練課程。

進路・卒後修練制度

産業医学卒後修練課程

進路・卒後について

 優れた産業医等を養成するため、産業医学卒後修練課程を平成元年から開設している。本課程は、平成24年から産業医業務に必要な修練を充実させ、高度な専門性を持った産業医を養成するという目的によりかなう制度に再編された。
 本学医学部卒業生は、卒業後直ちに本課程に所属し、産業医等として勤務するために必要な専門知識や技能の修練を受ける。2年間の臨床研修で医師としての基礎を学んだ後、3年から4年をかけて、2つのコースごとに特色ある修練を受ける。この間、両方のコースで、産業医として実際の職務に就くことも可能である。
 所定の課程を修了した産業医学修練医には修了証書が交付される。

専門産業医コースI

産業医学分野における専門的知識及び技術を有する産業医等を養成するコース。

専門産業医コース II

臨床医学分野における専門的知識及び技術を有する産業医等を養成するコース。

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