看護学科卒業生

産業医科大学病院 看護師 橋本 幸太郎 さん

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橋本 幸太郎 さん
大分県/豊浦高校 出身

患者さん一人ひとりに寄り添う。
個別的な看護を提供できるのがオペ室看護師の魅力。

 17室を有する産業医科大学病院手術室には、ロボット支援下で手術を行うためのda Vinciやハイブリッド手術室が備わっています。また、様々な緊急手術にも対応できるように人工心肺装置なども完備されているのが特徴です。私はこのような環境で、オペ室看護師として麻酔科医に代わって術中の麻酔管理を行っています。麻酔管理をサポートすることで、医師だけでなく部署内看護師の超過勤務時間が減少する効果を目指しています。また、限られた時間で多くの緊急手術が受け入れられることで、地域医療への貢献も期待されています。
 手術室に配属後は周術期における資格を取得し、術中麻酔管理に関わる特定行為研修を修了しました。これらの過程の中で、医師不足と2025年問題を考えるきっかけが得られました。昨今、医師との協働が過渡期を迎え、海外制度のNP(診療看護師)やPA(診療の補助をする役割)が知ら
れるようになっています。多様な生き方を選べる環境だからこそ、北九州や病院のために今後どう進んでいくべきかを模索している最中です。
 手術を受けに来られる患者さんは、大きな不安と期待感を持ちながら、勇気を振り絞って手術室へ来られます。業務を行う際は患者さん一人ひとりに寄り添い、できる限りその想いを察し、ベストな選択ができるよう意識しています。このように、患者さんに対して個別的な看護を提供できる
のはオペ室看護師の魅力の一つです。
 医師や看護師は卒業後、本院や関連施設で勤務するのが一般的です。学生時代からの知り合いが多い環境は業務上風通しの良い職場になりやすく、医療安全性の向上にもつながります。今後も医療現場で必要な安全性を確保し、特定行為看護師として地域医療や病院経営の安定化へ貢献できるよう活動していきます。

産業医科大学大学案内2026から抜粋

パナソニック健康保険組合 保健師 田所 沙知子 さん

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田所 沙知子 さん
福岡県/明治学園高校 出身

働く人の健康を守る産業保健。
個々の多様化する価値観を尊重し、その人らしい生活を支援する。

 私が勤務しているケイミュー北九州工場・健康管理室では、健診の準備や運営、保健指導を実施しています。また月に一度、産業医と職場巡視を行い、安全衛生上の改善点を確認しています。さらに、体調不良者やメンタル不調者の対応だけでなく、健康イベントの企画・運営などにも携わっ
てきました。
 産業医科大学では「産業保健」について勉強できる環境が備わっています。本学在学中の保健師課程では、先生方に実習や課題・研究・就活をサポートしていただき、専門性の高いご指導を賜りました。また、第一線でご活躍されている先輩方のお話を伺う機会が多くあったため、保健師とし
ての視野が広がったように感じています。なによりクラスメイト・友人に恵まれたことで、充実した4年間を過ごせました。従業者数が少ない産業保健の分野で、横と縦のつながりができたことは大変ありがたかったです。
 私達がこれから支える日本社会は少子高齢化が進んでおり、生涯を通じて生きがいを感じながら健康に暮らし続ける社会づくりが求められています。また、保健医療サービスに対するニーズ・関心は一段と拡大しています。このような中で、社会の変化・要請に対し、的確に対応する不断の努力が必要不可欠です。
 私は産業保健師として「個々の多様化する価値観を尊重し、関わる人々をありのままに受け入れる思いやり」を持つことが大切だと考えています。コミュニケーションを通して相手を深く理解することが、信頼関係構築、ひいてはその人らしい生活を送る支援につながると考えているからです。本学で過ごす4年間は、産業保健師として社会へ歩き出す土台を築くための充実した時間となります。大学ではたくさんの学びと楽しみがありますので、ぜひ皆さんも本学で充実した学生生活を送ってください。

産業医科大学大学案内2026から抜粋

産業医科大学病院 看護師 柏木 優希 さん

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柏木 優希 さん
福岡県/門司学園高校 出身

治療だけでなく、退院後の生活を見据えてサポートを行う。
看護師は医療の土台を支える存在。

 すべての国民が公的な医療保険に加入する国民皆保険制度によって、日本では誰もが高度な医療を受けられます。その医療制度の土台となり支えていく役割を、看護師は担っています。医療者の中で、看護師が最も多く、患者さんにとって一番身近な存在でもあります。
 看護師を志したのは、患者さんの生死を分ける救急の現場で命を救う仕事であるということに、憧れを抱いたからです。大学卒業後、看護師として日々患者さんの血圧や体温測定などの健康管理、入院生活の援助などを中心に業務に携わってきました。手術後の患者さんの全身状態の管理や感染症に対する抗生剤の点滴投与なども行います。患者さんの急変時には、医師と協力をして緊急の対応を取ったり、治療後の生活のために、医師やケアマネージャーなど多職種と連携して、社会サービスの導入や自宅環境の整備を行うこともあります。
 看護師という仕事は、病院だけでなく、地域のクリニックや在宅医療、高齢者施設、幼稚園や保育所、そして企業など、さまざまな場所にあり、場所ごとに求められる役割も変わってきます。多様な働き方が社会に期待されている、珍しい仕事です。そして、患者さんだけでなく、家族の心理面でのサポートを行うことも、看護師の大切な仕事の一つです。患者さんの退院後の生活や看護師の多様な働き方については、本学において、全国でも珍しい産業保健講座を受けたことで知ることができ、就職後もその知識を活用できていると感じています。
 4月からはICUでの勤務が決まりました。憧れであった集中治療の現場での仕事です。重症患者さんの治療のため、より高度な医療や助けが必要となります。患者さんはもちろんのこと、不安を抱える家族の方の助けになれるよう尽力したいです。

産業医科大学大学案内2025から抜粋

古河電気工業株式会社 保健師 家村 美菜 さん

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家村 美菜 さん
大分県/大分豊府高校 出身

産業保健師は労働者に伴走し、健康の維持・向上を手助けする。
信頼関係がなにより必要。

 古河電気工業は、歴史ある技術を使って多様な分野で日本のインフラを支えながら、世界最先端の技術を活用した製品も生産することで持続可能な社会の実現に貢献しています。絶えず必要とされる技術を持つ従業員の方々が、より万全な状態で働くことができるよう、皆さんの心身の健康の保持増進に貢献したいと考え、入職しました。
 千葉事業所は、千葉県市原市にあり、東京ドーム約14個分の敷地面積を有します。私はその敷地内の「衛生管理室」という場所で、嘱託産業医3名、保健師2名、看護師1名、事務員1名で仕事をしています。千葉事業所の従業員数は関連会社等を含めて1600名ほどで、そのうちの約900名を担当させていただいています。保健指導、健康相談、健康診断の企画・運営、メンタル不調者の対応、労働災害が発生した時の応急処置など、健康に関する様々なサポートを行っています。保健指導後に生活習慣を改善してくださるなど、自分が支援したアプローチが目に見える結果として出たときにやりがいを感じています。従業員の方から「健康に関しては家村さんに相談するのが当たり前になっている」と言っていただけた時はとても嬉しかったです。従業員の心身の健康状態に伴走できることは保健師の魅力の一つだと思います。
 健康経営の概念が注目されている今、保健師はその実現に欠かせない存在だと考えています。従業員への健康増進活動が生産性の向上に繋がれば、最終的には企業の業績・価値の向上に繋がります。また、人生100年時代ともいわれていますので、定年退職後も健康で楽しく生活するため
に、在職中から心身共に健康でいることが重要です。そのために、保健師として尽力したいと思っています。

産業医科大学大学案内2025から抜粋

産業医科大学若松病院 看護師 田中 里緒菜 さん

常に尊重したいのは患者様の人生や価値観。
入院中もその方らしい生活を支えたい。

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田中 里緒菜 さん
福岡県/東筑高校 出身

患者様の小さな変化に気づく役割。
細かな観察力と判断力が求められます。

 看護師は患者様にとって最も身近な存在。入院中の生活の支援をする中で、小さな異変や医療チームに伝えたいことはないか、いち早く気づいて医師など他の職種のスタッフに情報をつなぐ。細かな観察力と的確な判断力が求められます。
 現在は内科系の混合病棟に勤務。人生経験が豊富な80代以上のご高齢の患者様が多く、お話も勉強になります。病気を抱えていてもその方らしい生活ができるように、患者様やご家族と話し合って退院に向けての目標を決め、理学療法士とともにリハビリをサポートしています。目標が達成された時は自分のことのようにうれしい。状態が良くない時も諦めずに寄り添い、患者様の人生や価値観を尊重したサポートを心がけています。 

幅広い疾患について学べる混合病棟。
より専門的な技術や知識を身に着けたい。

 私たちの仕事は他の医療スタッフとのコミュニケーションが肝心。今の職場は学生時代から交流があった医師や看護師が多く、意思疎通が図りやすいですね。指示を待つだけではなく、仲間と協力して課題を乗り越える。考える力が身に着いたのは、大学の先生方の手厚い指導のおかげ。働き始めて間もない頃から現場で咄嗟の判断ができたのも、大学4年次に繰り返し行ったシミュレーション型のグループワークの成果です。
 看護師になり今年で7年目。去年がん看護の研修に参加し、働きながら治療する方を支える「両立支援」の仕事にも関心が出てきました。幅広い診療科の疾患について学べる混合病棟でより専門的な知識や技術を身につけ、自身のキャリアを切り拓いていきます。

産業医科大学大学案内2024から抜粋

産業医科大学病院 両立支援課 保健師 石上 紋 さん

全国初となる本学の「両立支援科」に勤務。
仕事と治療が両立する支援システムを構築中。

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石上 紋 さん
広島県/安田女子高校 出身

患者様の希望する働き方が叶うよう、
復職前から復職後まで伴走し続けます。

 「両立支援科」とは、患者様が治療と仕事を両立し、就労を継続できるように支援。産業医科大学は全国で初めて「両立支援科」を設けた病院です。
 私は主に両立支援コーディネーターとして働いています。仕事を続けたいと希望する患者様と面談してお困り事を整理し、ソーシャルワーカーなどの多職種と相談しながら利用できる公的制度などの情報を提供。主治医と両立支援科の医師と連携し、職場に病状や治療状況を説明した上で安全に就労できるよう意見書を届けることもあります。復職後も定期的にフォローアップ。患者様にも職場の方々にも疾患について理解を深めていただき、症状に合わせて納得のいく仕事との関わり方を探っていく。一人ひとりの人生に伴走する仕事です。

30代で保健師の資格を取るため大学へ。
周囲への感謝が深まった貴重な4年間。

 看護師として当院に勤務する中、働き盛りなのに病気で会社を辞めざるを得ない患者様が多いことに気づき、産業保健に携わりたいと思うようになりました。
 保健師の資格を取るため産業医科大学に入学したのは、子育て真っ只中の30代。膨大な勉強量も、家族や先生方、同級生の励ましがあり乗り越えられました。大学の4年間で周囲への感謝と敬意の想いはさらに深まり、人生そのものが力強く動き出した気がします。
 国も推奨する治療と仕事の両立支援は、今後ますます注目される取り組み。産業医科大学の「両立支援科」の取り組みが他の医療機関の参考になるように、より良いシステムを構築して発信していきます。若い学生さんにも関心を持っていただけたらうれしいですね。

産業医科大学大学案内2024から抜粋