産業衛生科学科

産業衛生科学科の教育目標

労働安全衛生のプロフェッショナルとして働く人々の安全と健康をサポートする。

産業衛生科学科の教育目標は、働き方を科学し、働く人々の安全と健康を支援し、快適な職場の形成に寄与する高度な安全衛生専門職の育成です。IoTやAIの影響を受けて変化する社会の中で、多様なニーズに自律的に対応できる人材養成を目標にします。

職務には①作業環境の測定・評価を行い、その改善を推進する「作業環境管理」、②作業の分析を行い作業方法の改善を推進する「作業管理」、③医療・保健の立場から働く人々を支援する「健康管理」があり、それらを統合して経営や組織運営なども専門に学ぶカリキュラムで構成されています。

また、世界標準の自主的な安全衛生活動を推進するための「労働安全衛生マネジメントシステム」についても、体系的に学べるカリキュラムを整えています。働く人々の安全と健康を守るために、計画・実行・評価・改善のサイクルを持続的に実践するものであり、企業の多くが重視しています。

当学科では、これらを基礎から専門まで幅広く網羅した講義・演習・実習を通じて、作業環境測定士や労働安全衛生マネジメントシステムの管理者など、労働安全衛生における高度なエキスパートを養成します。

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労働安全衛生マネジメントシステムについて

  • わが国の労働安全衛生対策は、働く人々の安全衛生について配慮すべき事項が法令で細かく規定され、事業者(企業等)がこれを守ることによって進められてきました。しかし、労働災害をさらに減少させるには、法令で規定されていなくても、安全衛生の確保に必要なことについては、事業者が自らの責任で管理を行わなければなりません。
  • このような「自主対応型」の管理の考え方は、1970年代前半英国で導入され、ヨーロッパを経て世界的に広がりました。これをシステム化したのが「労働安全衛生マネジメントシステム」です。
  • 今やこのようなシステムに則って安全衛生を進めようというのが世界的な潮流となっており、産業衛生科学科は、この労働安全衛生マネジメントシステムについて専門的に学ぶことができる日本で唯一の学科です。

「作業環境測定士」の役割と仕事

主に測定・検査機関等に所属しクライアントの現場に出向いて作業環境を測定・評価

  • 事業者(企業等)には、働く人々に対して快適な職場環境を提供・維持するとともに、健康や安全を確保することが困難な場合は、その環境の改善責任があります。その責務遂行のため、作業環境測定士は関連法規に基づいて作業環境の測定・評価などの業務を行います。
  • 当学科の卒業と同時に資格を取得できる第二種作業環境測定士は、測定点の決定(デザイン)、有害成分の捕集(サンプリング)、簡易測定器を用いての分析と解析が業務として認められています。
  • サンプリングの主な対象となるのは粉じん、気体(空気中の化学物質等)、騒音などです。

「衛生管理者」の役割と仕事

主に企業等に勤務し自社の工場等の衛生・安全を専任者として点検・管理

  • 勤務する企業の衛生・安全管理系の部署に所属し、働く人々の健康や安全を確保する立場から自社の工場等作業場を巡視・点検し、必要な場合は改善を提案・指導します。
  • 巡視・点検において問題点が発見された場合など、第二種作業環境測定士として測定点の決定(デザイン)、有害成分の捕集(サンプリング)、簡易測定器を用いての分析と解析等を行うこともあります(衛生管理者としての採用に作業環境測定士であることを前提とする企業もあります)。
  • なお、常時50人以上の労働者を有する事業場は衛生管理者の選任が義務づけられています。