医学部在学生メッセージ

中学の頃から目指していた産業医。今は全力で基礎知識を修得しています。(医学部1年)

 働く行為は私たちの人生と切り離せません。幸せに向けての活動なのに、過労で体調を崩したり、自ら命を絶ってしまったり。そんな不幸な出来事が起きている社会に小学生の頃から疑問を感じ、働く人を守りたいと思っていました。色々調べたら、6年間を費やして産業医学について専門的に学べる大学は全国で産業医科大学だけだったので、中学の時点で進学を決定。現役の産業医の先生から現場の話を伺う機会が増えた今、この道を歩む思いはますます強くなりました。志を全うするため、今は基礎知識の修得に全力をそそぎながら、サークル活動も楽しみたいと思っています。

解剖実習が始まる2年次。日頃から倫理的に物事を考えるように。(医学部2年)

 本学は産業医の永久ライセンスを取得できる、日本で唯一の大学。臨床医の他に産業医という選択肢が得られるのは、医師として働く上で有利だと思い入学しました。2年次の授業内容は1年次の座学を礎に深みを増していきます。たとえば、1年次の後期に学んだ解剖学を踏まえて、これからは解剖実習がスタート。ご献体に感謝しながら緊張感を持って、人体の構造や解剖の知識、技術をしっかりと自分のものにしていきます。1年次から続く医学概論のおかげで、最近では折にふれ「医学とは何か」などと倫理的に物事を考えるようになりました。これも成長のひとつだと思っています。

産業医学の難しさを痛感するからこそ、社会に貢献する意思を持って学び続ける。(医学部3年)

 産業医学はとても複雑な学問。3年次にもなると学習範囲の広さと講義の内容のレベルの高さを痛感してきます。たとえば、空気中の塵ひとつを取り上げてみても、どこでどう変化して人の心身に影響を及ぼすか、解明は容易ではありません。ただ、指導してくださるのは一線で活躍する先生ばかり。話を聴いているだけで引き込まれます。産業医が唱える予防医学や治療医学は、きっと、これから臨床医を目指す人にも役立つ新しい視点。公衆衛生学や法医学など、社会と医療のつながりを実感する講義が増えたこともあり、社会に貢献するという強い意思と覚悟を持つようになっています。

これまでの学びに手応えがあるから、全国共通試験にも自信を持って挑めます。(医学部4年)

 人体の生命の神秘に惹かれて医学部へ。学ぶほどに、生命の不思議に感動を覚えます。4年次の後期は臨床実習が始まるうえに、CBTやOSCEといった全国共通試験も重なるので、両方に向けた準備が大切。ただ試験に関しては、これまでの講義や実習で基礎を固めてきたという手応えがあるので、合格できるという自信があります。医学を学ぶ者としての夢は、未知の病態の解明と、人と経済に優しい治療薬の開発。たとえば、治療効果があって副作用は少なく、コストもできるだけ抑えた薬を提供するにはどうしたらいいか。柔軟な発想を大事に、常に最善策を探る医療人でありたいです。

先生方の懸命な姿に胸を打たれる臨床実習。医師になる覚悟がますます強くなりました。(医学部5年)

 5年生になり、臨床実習が始まりました。実習では教科書やシュミレーターだけでは学べない、患者さんに接してはじめて学べる貴重な経験をたくさん積ませていただいていると感じます。救急科では、搬送されてきた患者さんに懸命に対応される先生方の姿をみて、胸を打たれました。忙しさでいっぱいいっぱいになることもありますが、そんなときこそ「患者さんに寄り添える医師になりたい」という自分の原点にかえります。患者さんとの出会いを心に刻み、これからも一生懸命学び続けます。

臨床医と産業医を選びながら経験を積み、長い医師人生を自分らしく歩みます。(医学部6年)

 最大の目標は2月の国家試験。合格に向けて勉強漬けの毎日になると思いますが、「なぜそういう答えになるのか」という視点を持ちながら復習し、新たな発見を楽しみたいと思います。働く人の健康を守る産業医の存在が少しずつ注目されるようになり、他の医大を卒業した後から産業医学を学ぶ人も増えています。その点、卒業と同時に臨床医と産業医の両方の資格を手に入れられる私たちは恵まれています。臨床医と産業医をシフトチェンジしながら経験を積み、患者さんや労働者の方々、そして自分自身のことも1人の人間として大切に、長い医師人生を歩んでいきます。

産業医科大学 大学案内2023より抜粋