内視鏡部
消化器関連の内視鏡検査と治療および気管支鏡、耳鼻咽喉関連の検査を行っています。同部のスタッフは専任部長1名、看護師7名、内視鏡洗浄担当2名です。内視鏡検査および治療にあたっては、その目的、方法、偶発症とその頻度などについて文書を用いて分かりやすく説明し、文書による同意を得た上で行っています。安全で患者さんに負担が少なくかつ精度の高い検査および内視鏡治療を行っています。
患者様にやさしい検査
苦痛の少ない検査のため鎮静剤等を安全に使用することができるよう患者監視装置や広い回復室を有しています。また患者さんに過ごしやすくしていただくため専用ロッカー、前処置室、大腸内視鏡検査用専用トイレが使用可能です。
最新機器の導入
最新のハイビジョン内視鏡システム(オリンパス社EVIS LUCERA ELITE 290シリーズ)や静止画、動画に対応した画像ファイリングシステムを導入しています。全ての病棟および診察室で内視鏡画像を見ることができるため患者さんによりわかりやすく説明することが可能です。マルチベンディングスコープ、NBI(narrow band imaging) 拡大内視鏡、超音波内視鏡下吸引穿刺装置(EUS-FNA)、超音波内視鏡、経鼻内視鏡、カプセル内視鏡、小腸バルーン内視鏡が導入されています。
先進医療
食道、胃、大腸の早期癌に対しては、超音波内視鏡検査等を用いて内視鏡治療の適応を適切に判断した上で内視鏡的粘膜切除術、内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)を行っています。特にESD症例が増加しており、食道、胃、大腸病変あわせて年間約100例の症状を治療しています。症例によっては、手術室で行うなど万全の体制で低浸襲治療を行っています。膵癌・胆管癌に対しては超音波内視鏡や内視鏡的胆管膵管造影により早期診断を行っており、進行症例については、内視鏡的に胆管ステントを留置するなどして患者さんのQOLの向上を目指しています。その他食道・胃静脈瘤に対する硬化療法、結紮術やアルゴンプラズマ凝固術、総胆管結石に対しては内視鏡的乳頭切開術や結石除去術等も行っています。また内視鏡を用いた呼吸器、耳鼻咽喉の炎症性、腫瘍性疾患の早期診断を行っています。
緊急内視鏡
当院では救急診療を行っており、吐・下血の救急搬送患者に対してクリッピングなどによる内視鏡的止血術を多く実施しています。
感染予防
検査後の内視鏡スコープは、一検査毎にすべて日本消化器内視鏡学会のガイドラインにそって洗浄・消毒を行っています。また生検鉗子やポリペクトミースネアなどはディスポーザブル製品を用い感染予防に努めています。
内視鏡部検査・治療 令和5年度実績
および治療内視鏡(件数)
食道・胃・十二指腸 |
|
食道内視鏡 |
96 |
食道拡張術 |
71 |
食道ESD |
25 |
食道静脈瘤結紮術 |
16 |
食道EUS |
9 |
食道静脈瘤硬化療法 |
12 |
食道ステント |
5 |
胃十二指腸内視鏡 |
2,288 |
胃十二指腸EUS |
449 |
胃十二指腸ESD |
60 |
止血術 |
74 |
胃十二指腸EMR |
21 |
胃ろう造設 |
36 |
食道胃異物除去 |
14 |
胃十二指腸ステント |
21 |
胃十二指腸拡張術 |
2 |
小 計 |
3,199 |
小 腸 | |
バルーン内視鏡 |
42 |
カプセル内視鏡 |
55 |
止血術 |
7 |
小 計 |
104 |
大 腸 | |
大腸内視鏡 |
2,182 |
結腸EMR |
336 |
大腸ESD |
53 |
止血術 |
29 |
EUS |
15 |
大腸ステント |
13 |
結腸拡張術 |
9 |
異物除去 |
1 |
軸捻転解除 |
1 |
小 計 |
2,639 |
胆 膵 | |
逆行性胆管膵管造影 |
433 |
乳頭切開術(砕石術なし) |
86 |
逆行性胆道ドレナージ |
85 |
逆行性膵管ドレナージ |
27 |
乳頭切開術(砕石術あり) |
26 |
経鼻胆道ドレナージ |
23 |
胆道鏡下砕石術 |
12 |
EUS下瘻孔形成術 |
17 |
EUS |
8 |
膵嚢胞バイパス術 |
3 |
乳頭バルーン拡張 |
1 |
小 計 |
721 |
気管支、喉頭 | |
気管支 |
460 |
TBLB |
198 |
BAL |
142 |
咽頭 |
2 |
喉頭異物摘出 |
1 |
小 計 |
803 |
合 計 | 7,458 |
EUS:超音波内視鏡
ESD:内視鏡的粘膜下層剝離術
BAL:気管支肺胞洗浄
EMR:内視鏡的粘膜切除術
TBLB:経気管支肺生検
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スタッフ紹介
- 部長
- 芳川 一郎(ヨシカワ イチロウ):診療教授
- 日本消化器内視鏡学会指導医、日本消化器病学会専門医、日本内科学会専門医・指導医、日本ヘリコバクタ—学会認定医
(更新日:令和6年9月17日)