心臓血管外科
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概 要
- 外科治療が必要な成人の心臓疾患、大動脈疾患、末梢血管疾患の診療を担当します。令和3年1年間で、84例の心臓血管外科手術(心臓手術59例、腹部大動脈手術5例、末梢血管手術16例、その他4例)を行いました。
診療内容
虚血性心疾患
心臓の筋肉に栄養、酸素を供給する冠動脈に動脈硬化による狭窄、閉塞がおこっていろいろな不都合をきたす疾患で、狭心症や心筋梗塞がこれに含まれます。内胸動脈や胃大網動脈など(動脈グラフト)や足の静脈(静脈グラフト)を用いて虚血状態にある心筋に新しい血流路(バイパス)を作成します。より性能の優れた動脈グラフトを可能な限り多く用いるよう心がけています。人工心肺を用いて心停止下に確実な吻合を行うことを原則としていますが、高度な動脈硬化病変が大動脈に合併している症例などでは人工心肺による重篤な合併症がおこる可能性が高いため人工心肺を用いない心拍動下手術を行います。
心臓弁膜症
心臓の中にある弁に狭窄や閉鎖不全が生じることで多くの場合、息苦しさやむくみなどの心不全症状をきたします。人工心肺を用いて、弁の働きを正常化する手術を行います。修繕が可能であれば修繕しますが(弁形成術)、病変がつよい場合には人工弁を植え込みます(弁置換術)。
大動脈疾患
大動脈が瘤状に拡大する大動脈瘤はふだん無症状ですが、破裂をおこすと命にかかわる恐い病気です。また、大動脈の壁に裂け目がはいり、激烈な痛みと破裂などの致死的合併症をきたす急性大動脈解離は緊急手術が必要となることが多々あります。人工血管による置換術を行っています。
末梢血管疾患
手足の動脈に狭窄や閉塞をおこして歩行時の痛みなどの症状をきたす閉塞性動脈硬化症や、足の静脈が瘤状にふくれる静脈瘤などの手術も行います。
特徴・特色
設立されて比較的日が浅い診療科ですので症例数はいまだ少なく、また、スタッフも決して多くはありませんが、他の診療科との緊密かつ円滑な連繋のもとに誠心誠意をもって診療にのぞんでいます。
外来診療区分
時間帯 |
月 |
火 |
水 |
木 |
金 |
午 前 |
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紹介、初診 再診(予約) |
紹介、初診 再診(予約) |
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午 後 |
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スタッフ紹介
教授
西村 陽介(ニシムラ
ヨウスケ):診療科長
- 専門分野
心臓血管外科
- 学会認定医等
心臓血管外科専門医、日本外科学会指導医・専門医、日本胸部外科学会指導医
特任教授(先進心血管治療学)
大石 恭久(オオイシ
ヤスヒサ):副診療科長
- 専門分野
心臓血管外科
- 学会認定医等
-
- 心臓血管外科専門医、修練指導者、日本外科学会認定医・専門医
- 日本ステントグラフト実施基準管理委員会 腹部ステントグラフト指導医(Gore Excluder)日本ステントグラフト実施基準管理委員会 胸部ステントグラフト指導医(Gore TAG)
- 日本ステントグラフト実施基準管理委員会 腹部ステントグラフト指導医(Endurant)
- 日本ステントグラフト実施基準管理委員会 胸部ステントグラフト指導医(Zenith TX2)
- 日本ステントグラフト実施基準管理委員会 胸部ステントグラフト指導医(Relay Plus)
- 日本ステントグラフト実施基準管理委員会 胸部ステントグラフト指導医(VALIANT Captivia)
- 日本ステントグラフト実施基準管理委員会 腹部ステントグラフト指導医(AFX)
助教
角 裕一郎(カド ユウイチロウ)
- 専門分野
心臓血管外科
- 学会認定医等
-
- 日本外科学会外科専門医
診療助教
近藤 佑樹(コンドウ ユウキ):社会人大学院生(第2内科学講座)
- 専門分野
心臓血管外科
- 学会認定医等
-
- 日本外科学会外科専門医、血管内焼灼術実施医
診療助教
塩野 剛志(シオノ ツヨシ)
- 専門分野
心臓血管外科
- 学会認定医等
-
- 日本外科学会外科専門医
後期修練医
岡田 重(オカダ シゲル)
- 専門分野
心臓血管外科
現在行われている臨床研究について
1 心臓・大血管手術後の長期成績における後方視的解析による予後因子の解明に関する研究
近年、心臓手術の安全性の向上に伴い手術成績の改善が認められますが、遠隔期成績に関する知見は未だ十分ではありません。心臓・大血管手術成績、特に長期間の成績に影響を与える因子を検討することは今後の手術成績向上に寄与するものと考えます。この調査により個々の患者さんにとって最適な手術の選択の一助となるだけでなく術後の治療方針を決定する際にも参考となることが期待されます。詳細は以下のファイルをご参照ください。
心臓・大血管手術後の長期成績における後方視的解析による予後因子の解明に関する研究
2 維持透析患者に対する開心術後の早期および長期成績
近年、心臓手術の安全性の向上に伴い、高齢者に対する心臓手術症例、特に大動脈弁狭窄症患者の増加が著しくなっております。心臓手術の安全性が向上したとはいえ、高齢者は心臓手術の高リスク群であることに変わりなく、80歳以上の高齢者に対する大動脈弁置換術の遠隔成績の報告はいまだ少ないのが現状です。現在当科では高齢者の大動脈弁狭窄症の治療方針を決定する際の指標を検討するため、大動脈弁置換術を受けられた80歳以上の方を対象に調査を行っております。詳細は以下のファイルを御参照下さい。
3 感染性心内膜炎患者に対する手術の早期成績および遠隔期成績に影響を及ぼす因子の検討
感染性心内膜症は比較的まれな疾患ですが、急激に心不全が増悪したり、塞栓症による多臓器障害を引き起こす予後不良の疾患です。治療法も症例により多岐にわたるため手術の時期や適応、術式の選択に苦慮する事も少なくありません。当科ではこれらの判断の指標を検討するため、感染性心内膜炎患者の予後の調査を行っております。詳細は、以下のファイルをご参照ください。
感染性心内膜炎患者に対する手術の早期成績および遠隔期成績に影響を及ぼす因子の検討
外来直通電話 093-691-7320 病棟直通電話 093-691-7355 |
更新 令和6年6月20日