医療連携アドバイザー養成プログラム
近年、質が高く、安心で安全な医療を求める患者・家族の声が高まる一方で、医師不足や医療の高度化・複雑化に伴う業務の増大により、医療現場が疲弊しています。
こうしたなか、多種多様な医療スタッフが、各々の高い専門性を前提に、目的と情報を共有し、業務を分担するとともに互いに連携補完しあい、患者の状況に的確に対応した医療を提供する「チーム医療」の実践が求められています。
本事業は、2011年5月に文部科学省より大学教育改革支援の一環として公募されたプログラム「チーム医療推進のための大学病院職員の人材養成システムの確立」において、当大学より申請した事業案が選定され、2011年11月~2014年3月まで補助金を受けて実施し、現在も病院内で継続して実施しています。
事業名称は「医療連携アドバイザー養成プログラム」で、このプログラムを終了したものを「医療連携アドバイ
ザー」と認定し、現在は医師、看護師、薬剤師、臨床検査技師、放射線技師、臨床工学士、事務、看護補助者の計
28名が、一貫した患者支援と、「働き続けたい病院No.1」につながる部門間連携の調整・チーム医療推進のため
に活動を実施しています。
さらに2023年度からは、病院の正規組織の多職種連携推進委員会として活動を強化しています。
医療連携アドバイザーとは
・ビジョン
- 「働き続けたい病院No.1」
・活動方針
- 「一貫した患者支援を実現する連携」
・目 的
- 医療連携アドバイザーは、各職場・職種の医療連携アドバイザーと連携して、各職場・職種間の連携の問題の発見(発掘)、調整・解決を自主的に行うことにより多職種間協働を推進し、各職場・職種間の無用なトラブルの減少、効率的な医療・患者サービスの向上等を図ることを目的としている。
医療連携アドバイザーが行うこと
・一貫した患者支援と「働き続けたい病院No.1」につながる部門間連携の調整・推進
・部門間連携に関わる問題や課題の発見・発掘と改善の推進
・部門連携に関する情報発信、情報交換
・次世代医療連携アドバイザーの育成
・その他、部門間連携に関すること
医療連携推進チームとは
各職場・職種の医療連携アドバイザーと事務局メンバーの総称であり、病院の一組織の多職種連携推進委員会として活動している。
事務局とは
各職場・職種の医療連携アドバイザーがスムーズに活動できるよう支援を行うこと、新たな医療連携アドバイザー
の人材の育成、患者満足度調査の実施、広報など活動の企画・実施などの業務を行っている。
現在は委員会組織となったため、委員会のコアメンバー会議として機能しています。
教育プログラム
集合型教育とは
集合型教育では、「多職種連携型教育」と「専門能力向上教育」を、講義とeラーニングで行っています。
「多職種連携型教育」は、多職種を相互に理解するための教育やチーム内の全ての職種が身に付けておくべき共通の教育など、多職種の医療スタッフが連携して共通・合同の教育を行うことにより、チームとしての連携を深めることを目的としています。
「専門能力向上教育」は、職種ごとにそれぞれの専門の知識や技術の修得に関する教育を行うことにより、専門
職種としての専門能力向上を図ることを目的としています。
I 多職種連携型教育(1)〜(4) | II 専門能力向上教育(1)〜(4) |
(1)多職種間相互実務教育 ・相互理解とチーム意識の向上 ・問題解決の知識と技術の習得 ・現実の問題の共同解決 |
(1)医療コミュニケーション ・患者や家族の心情を理解し、より良い治療関係を築ける。 ・コミュニケーション能力の習得
|
(2)コミュニケーション ・コミュニケーションスキルの向上 |
(2)医療倫理 ・現代医療の場における倫理的問題の解決 |
(3)関係法規 ・基本的な保健・医療・福祉制度 |
(3)家族支援 ・患者家族のニーズを把握し、身体的・精神的・社会的に支援できる能力の習得 |
(4)チーム活動遂行手法 ・PDCAに沿った問題抽出 ・改善能力の習得 |
(4)地域医療連携 ・医療連携室・患者相談室の役割の理解 ・病院における前方連携、後方連携の制度や方法の理解 |
体験型教育とは
体験型教育では、「チームカンファレンス」を行っています。
「チームカンファレンス」は、集合教育で学んだことを、実践することを目的としています。
【お問い合わせ先】
医療連携アドバイザー |