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(12月29日~1月3日)
開学記念日:4月28日

副腎腫瘍

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1 病気について(概要、疫学的なものも含めて)

副腎は腎臓の上方に存在する小さな臓器です。副腎腫瘍は良性腫瘍が多くを占めていますが、悪性腫瘍(副腎皮質癌)が100万人に0.52人の頻度で発生します。極めてまれな発生頻度であるため、臨床試験がほとんど行われていいません。そのため診療指針となるガイドラインもないため、標準治療は確立していません。

2 診断について

音波・CTMRI検査などの画像検査から総合的に評価して診断を行います。一般的に副腎に発生した腫瘍の大きさが5cmを越えると悪性の可能性が高まると言われています。副腎は内分泌機能(体のバランスを整えるホルモンを分泌します)を司る臓器ですので、診断補助として採血や尿検査で副腎特有のホルモン検査を行います。

3 治療について

 1)手術療法

  (1)外科的治療

副腎皮質癌の確定診断は病理組織診断に委ねられるため、当科では原則として手術による副腎腫瘍の摘出を行っています。また、周囲への浸潤傾向が強い特徴を有するので、外科との合同手術(他臓器合併切除)も必要に応じて積極的に取り組んでいます。

  (2)鏡視下治療(ロボット支援下を含む)

副腎皮質癌は周囲への浸潤傾向が強い特徴を有するので、外科的治療の基本的な方針は開腹手術になります。画像検査の詳細な評価および術前カンファレンスを十分に行ったうえで、患者さんへの負担を軽減するために、腹腔鏡手術を行うこともあります。

なお、ロボット支援下手術は副腎腫瘍に対して認められていません。

4 内視鏡的治療

該当なし

5 局所的治療(経皮的治療、カテーテル治療など)

該当なし

6 薬物療法

  (1)抗がん剤

進行副腎皮質癌に対する薬物療法に対しては、本邦だけでなく、世界的にも特に治療法が確立していません。当科独自の取り組みとして、ミトタン+EDP療法(エトポシド・ドキソルビシン・シスプラチンの抗がん剤)を5年前から積極的に行い、一定の治療効果を認めています。

  (2)分子標的薬

     該当なし

  (3)免疫チェックポイント阻害薬

     該当なし

  (4)ホルモン剤

     該当なし

  (5)その他

7 放射線療法

副腎皮質がんに対する初回治療は手術が優先され、手術前・手術後の補助的な放射線治療の役割も確立されたものはありません。

(1)  少数個の再発・転移に対する救済的放射線治療

手術で切除した局所やリンパ節の再発、あるいは少数個(13個程度)の遠隔転移を生じた場合に、薬物療法に加え救済的な放射線治療を選択することが可能です。

(2)  緩和的放射線治療

他の臓器へ多数個の転移を生じている状況では、緩和的な放射線治療が適応となり得ます。腫瘍からの出血の止血や疼痛の鎮痛、また骨転移に伴う疼痛や神経症状の緩和などに有効です。緩和的放射線治療に必要となる放射線量は少ないため、治療に伴う副作用は軽微です。治療期間は2週間以内が多く、状況に応じて1回のみの治療も選択可能です。 

8 セカンドオピニオンの受け入れ  

      (  可  )

9 患者さんにメッセージ

副腎皮質癌は一般病院では治療が困難なことが多いのが実情と思われます。当科では大学病院の特性を生かして、可能な限り積極的な治療への取り組み、新たな治療の模索を続けています。

産業医科大学 医学部 泌尿器科学講座  診療につきまして

https://www.uoeh-u.ac.jp/kouza/hinyo/diagnosis.html