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開学記念日:4月28日

子宮体がん

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1 病気について(概要、疫学的なものも含めて)

子宮体がんは、子宮体部(妊娠する場所となる奥の部分)にできるがんです。

子宮体がんの多くは、子宮内膜(子宮の内側の皮の部分。月経で表面が剥がれる部分)から発生する子宮内膜癌です。そのほか、稀ながんとして、肉腫(子宮の筋肉等から発生する悪性腫瘍)があります。子宮内膜癌は、50-60歳代に多く、リスク因子として、未産、不妊、肥満、糖尿病、30歳以降の月経不規則などがあります。

子宮体がんの初期症状は、不正性器出血です。発症年齢も閉経後が多く、閉経後の不正性器出血があれば、子宮体がんの検査が勧められます。

2 診断について

子宮内膜組織を直接採取して、病理組織検査(顕微鏡でみる検査)で診断します。外来で組織採取ができることも多いですが、状況によっては、麻酔をして子宮内膜を採取することもあります。

子宮体がんの診断があれば、CT検査やMRI検査等の画像診断を行って、病気の広がりを確認します。

3 治療について

 1)手術療法

  (1)外科的治療

子宮体がんの治療は、外科手術が第一選択になります。病気ができる子宮の摘出術と、転移の有無を調べる目的で子宮付属器(卵巣と卵管)、周囲のリンパ節の郭清術を同時に行うことが多いです。完全摘出が難しい転移、進行したがんでも、性器出血を防ぐ意味で子宮摘出術を行うことがあります。

  (2)鏡視下治療(ロボット支援下を含む)

当院では、保険診療の範囲で、子宮体がんに対する腹腔鏡下子宮悪性腫瘍手術を行っています。適応の範囲などの説明は、当院産婦人科学教室のHP(下記)に掲載しています。

uoeh-sanfujin.com/sub/setsumei2.html

 

 

4 内視鏡的治療

     該当なし

5 局所的治療(経皮的治療、カテーテル治療など)

    該当なし

6 薬物療法

  (1)抗がん剤

手術のみでは治療不十分な進行がんに対して、術後に補助的な治療として化学療法を行います。また、手術不能な進行がんに対しても化学療法を行っています。

  (2)分子標的薬

該当なし

  (3)免疫チェックポイント阻害薬

該当なし

  (4)ホルモン剤

妊娠出産の希望がある場合、子宮内膜異型増殖症(前がん病変)または子宮内膜に留まっている類内膜癌グレード1(進行のリスクが低い組織型)に限り、ホルモン療法をおこなって子宮を温存する治療が行われます。

子宮内膜全面掻爬を行ったあとに黄体ホルモン療法を行います。

  (5)その他

    該当なし

7 放射線療法

(1)    根治的放射線治療

子宮体癌は手術療法が第一選択となりますが、高齢や合併症がある場合、又手術を希望されない場合などに根治的放射線治療を行います。小さな放射線の線源を子宮に短時間挿入する小線源治療(腔内照射)と、体の外から放射線を照射する外照射を組み合わせて行います。

外照射から開始し11回、総25-30 (5-6週間)行います。消化管や膀胱などの隣接する正常臓器への放射線の線量を低減する高精度な照射手法”強度変調回転放射線治療 (VMAT)を用います。腔内照射は外照射開始後から3週以降に、週に1回、総3-5回行います。腔内照射では子宮に器具を挿入するため、鎮静剤や鎮痛剤を用います。毎回CT画像を撮像し、腫瘍の大きさに応じて放射線の分布を最適化する画像誘導密封小線源治療 (IGBT)で行います。

(2)    手術療法後の再発予防を目的とした放射線治療

手術療法を行った後に残存腫瘍がある場合や、再発リスクが高いものの抗がん剤を投与できない場合などに、放射線治療を追加します。放射線治療の追加により、再発を生じる確率が減少します。こちらでも高精度な強度変調回転放射線治療(VMAT)を用いることで、晩期的な腸閉塞などの副作用の発症率を軽減しています。

(3)    少数個の再発・転移に対する救済的放射線治療

膣やリンパ節(骨盤内・腹部リンパ節)の再発、または少数個(13個程度)の遠隔転移を生じた場合に、薬物療法に加え救済的な放射線治療を選択することが可能です。遠隔転移の部位は、鎖骨上・縦隔などのリンパ節転移、肺や肝臓の転移、骨転移などが対象となります。治療した腫瘍の高い制御効果が期待できます。

(4)    脳転移に対する放射線治療

脳転移を生じた場合に放射線治療が有効です。当院では、強度変調回転放射線治療(VMAT)を用いた定位放射線治療(ピンポイント照射)が可能です。患者さんに負担の少ない短い治療時間で、脳転移の高い制御効果が期待できます。

(5)    緩和的放射線治療

他の臓器へ多数個の転移を生じている状況では、緩和的な放射線治療が適応となり得ます。子宮からの出血の止血や疼痛の鎮痛、また骨転移に伴う疼痛の鎮痛や神経症状の改善といった症状緩和に有効性が高いです。緩和的放射線治療に必要となる放射線量は少ないため、治療に伴う副作用は軽微です。治療期間は2週間以内が多く、状況に応じて1回のみの治療も選択可能です。

(6)    温熱療法 (ハイパーサーミア)

当院では、子宮体がんに対して放射線治療や抗がん剤の治療効果を高める温熱療法を取り入れています。がんの存在する領域の皮膚表面を2方向からパットで挟み込み高周波電流を流して加温します。パット内の液体を還流させ、皮膚表面の熱感や痛みを抑えます。1回の加温時間は4060分程度で、週に1~2回、放射線治療を行っている期間中に総5回程度行います。

8 セカンドオピニオンの受け入れ

   ( 可 ) 

9 患者さんにメッセージ