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午後 13時00分~14時30分

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休診日

土・日祝日、年末・年始
(12月29日~1月3日)
開学記念日:4月28日

前立腺がん

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1 病気の概要

 前立腺は男性の生殖器の一つで精液の一部を作る臓器で、膀胱の出口に存在します。前立腺がんは文字通り前立腺に発生するがんであり、男性では胃がん、大腸がん、肺がんなどと共に罹患率(病気になる人の割合)が高いがんで、前立がんの罹患率は50歳以上の方から増加しはじめ、高齢になるほど上昇します。

 

 

2 診断方法

 PSA(前立腺特異抗原)の値、超音波検査、触診、MRI検査などを行い前立腺がんが疑われる場合は、前立腺の一部を針で採取し(前立腺生検)病理検査の結果、確定診断をおこないます。前立腺がんと診断された場合、前立腺がんの広がりを調べるためにCT検査や骨シンチなどの検査を行います。

 

 

3 外科的手術

(1)外科的治療

 前立腺を精嚢とともに取り除く前立腺全摘除術を行います。当院ではそのほとんどが次項のロボット支援下手術(ダビンチ手術)にておこなっています。

 

(2)鏡視下治療(ロボット支援下を含む)

 当院では2017年1月に前立腺がんに対するロボット支援下手術を開始し、順調に経験を積み重ねています。ロボット支援下手術は鮮明かつ拡大された3D画像や、人の手以上に器用な動きが可能なロボットアームを用いることにより、従来の手術よりも精度が高く、安全な手術を可能としています。また創が小さく、開腹手術に比べ術後の痛みが少なく、回復が早いことも特徴です。


 

 

4 内視鏡的手術

なし

 

 

5 局所的治療

なし 

 

 

6 薬物療法

(1)ホルモン療法

 前立腺がんには、精巣や副腎から分泌されるアンドロゲン(男性ホルモン)の刺激で病気が進行する性質があります。ホルモン療法は、アンドロゲンの分泌や働きを妨げる薬によって前立腺がんの勢いを抑える治療です。ホルモン療法は前立腺がんに対してとても有効な治療法ですが、この治療のみで完治することは困難でいずれは効果が弱くなってしまいます(この状態を去勢抵抗性前立腺がんといいます)。

 

(2)抗癌剤

 抗癌剤による治療は通常去勢抵抗性前立腺がんに対して行います。ドセタキセル、カバジタキセルの2種類があり、いずれも点滴の薬剤で、初回は入院して投与が行われます。2回目以降は副作用の程度にもよりますが、通常外来での投与が可能です。

 

(3)新規ホルモン治療薬

 近年、去勢抵抗性前立腺癌に対する新たなホルモン治療薬が複数使用可能となりました。当院でもそうした薬剤を必要に応じて積極的に使用しています。いずれも内服薬ですので、外来通院にて治療が可能です。

 

 

7 放射線治療

 前立腺がんに対する放射線療法には「外照射療法」と「組織内照射療法」の2つがあります。

「外照射療法」は、体の外から前立腺に放射線を照射する方法です。1日1回、週5回で7~8週間程度の治療期間を要しますが、通院可能な方であれば外来治療で行えます。強度変調放射線治療(IMRT)を用いて、放射線を直腸や膀胱など前立腺周囲の正常臓器には可能な限り照射せずに前立腺に集中させる高精度で侵襲の少ない放射線治療を行っています。

「組織内照射療法」は、小さなカプセル状の容器に放射線を出す物質を密封したもの(線源)を前立腺の中に植え込み、前立腺の内側から放射線を照射する方法です。前立腺に線源を植え込む手術が必要ですが、治療に要する入院期間は4日程度と外照射療法に比べると短期間です。

 

 

8 監視療法

 監視療法は、前立腺がんに対する治療を直ちに開始しなくても、余命に影響がないと判断される場合に、経過観察を行いながら過剰な治療を防ぐ方法です。前立腺生検で見つかったがんがおとなしく、しかも非常に早期であった場合に治療の選択肢の一つになります。監視療法では、3~6カ月ごとの直腸診とPSA検査、および1~3年ごとの前立腺生検を行い、病状悪化の兆しがみられた時点で、治療の開始が検討されます。

 

 

9 患者さんへ

 当院では現在本邦で保険適応となっている前立腺がんの治療のほとんどが施行可能です。また、これまでに多くの患者さんの治療に携わっており、その治療経験や最新の知見を基に前立腺がんの治療の中から、個々の患者さんそれぞれの病状、希望に沿った最適な治療を提供できるよう努めています。些細なことでもお気軽にご相談ください。