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初診 午前 8時30分~11時00分
午後

13時00分~14時30分 (形成外科、一部専門外来)

再診 午前 8時30分~11時00分
午後 13時00分~14時30分

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休診日

土・日祝日、年末・年始
(12月29日~1月3日)
開学記念日:4月28日

口腔がん

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 病気について

   口腔がんは、口の中と唇にできるがんです。最も多いのは舌で、以下、歯肉・口腔底・頬粘膜・硬口蓋の順とされています。本邦における頭頸部がんで最も発生頻度が高く、全体の約1/3を占めます。喫煙と飲酒される方に発生するリスクが高いことが分かっています。

 診断について

 視診や触診で、口腔内の病変を診断します。がんかどうかの診断は、病変の一部を切除して病理検査に提出します。ほとんどのがんは、扁平上皮癌というがんです。また、鼻腔を経由してファイバースコープで咽頭への病変の広がりを確認します。触診では、頸部リンパ節の腫れを確認して、リンパ節転移の有無を判断します。病変が確認された場合は、超音波・CTMRIPET-CT検査などを行い、がんの進行度を診断し、治療方針を検討します。 

 治療について

 1)手術療法

   口腔がんの根治治療は、外科的治療が第一選択となります。口腔内の切除は、頭頸部外科・口腔外科が行います

   が、咽頭まで広がるような大きながんの場合は頭頸部外科が担当します。切除する範囲が大きくなった場合は、再

     建術が必要となりその場合は形成外科との合同手術を行います。術後は、切除範囲や再建の状態で、言葉や食事に

     障害をきたすため、各種リハビリテーションや栄養サポートなどが必要で、多職種でのチーム医療が重要となりま

     す。

 


4 内視鏡的手術

該当なし

5 局所的治療(経皮的治療、カテーテル治療など)

該当なし

 

 2)薬物療法

    切除不能な再発転移を有する口腔がんに対しては、薬物療法が適応となります。標準的な治療は、抗がん剤(主に

    プラチナ製剤)と分子標的薬(セツキシマブ)を併用します。免疫チェックポイント阻害剤も、一定の条件を満た

       した場合には使用可能で、口腔がんでも一般的に用いられています。ただし、薬物療法単独での根治は難しく、治

       療目的は症状緩和/延命となります。1−2週間に1回の通院もしくは短期入院での抗がん剤の点滴が必要です。薬物

       療は、頭頸部外科が担当します。

 

3)放射線療法 

  ①根治的放射線治療

   口腔がんの根治的放射線治療は、病巣の摘出を行わないため咀嚼、嚥下や発声機能などを温存できるメリットが

  あります。抗がん剤を同時に併用 (化学放射線療法) することで腫瘍を制御できる確率を高めます。この化学放射

  線療法の抗がん剤の投与方法として、より高い治療効果を期待して動脈の中にカテーテルを入れて抗癌剤を注入す

  る場合があります(動注化学療法)

   強度変調回転放射線治療(VMAT)と呼ばれる、高精度な放射線照射方法を採用しています。放射線治療後の唾液

  腺の分泌量低下や顎の骨の障害などの副作用を軽減することが可能です。さらに、当院では、放射線治療の治療効

  果を高める目的で温熱療法(後述)の併用が可能です。

  

 ②手術療法後の再発予防を目的とした放射線治療

   手術療法を行った後に再発リスクが高い場合に、放射線治療の追加が必要です。腫瘍の周囲への浸潤が強い場

  合、リンパ節転移が大きい場合や多発していた場合などが相当します。放射線治療の追加により、再発を生じる確

  率が減少し予後が改善します。こちらでも高精度な強度変調回転放射線治療(VMAT)を用いています。唾液腺の分

  泌量低下や顎の骨の障害などの副作用のリスク軽減が期待できます。 

  

 ③少数個の再発・転移に対する救済的放射線治療

   口腔や頸部リンパ節の再発、また少数個(13個程度)の遠隔転移を生じた場合に、薬物療法に加えて救済的な放

  射線治療を選択することが可能です。遠隔転移は、肺の転移、縦隔などのリンパ節転移、骨転移などが対象となり

  ます。治療した腫瘍の高い制御効果が期待できます。特に5cm以下の少数個の肺転移に対しては、定位放射線治療

  (ピンポイント照射)が選択できます。

   過去に放射線治療が行われた口腔や頸部リンパ節の再発では、摘出術が第一選択となります。摘出が困難な場合

  に、再度の放射線治療(再照射)が選択肢となります。通常、十分な量の放射線を投与できませんが、当院ではよ

  り腫瘍に対して高精度に放射線を集中させる強度変調回転放射線治療(VMAT)を用いることや、温熱療法(後

  述)を併用することで、治療効果の改善を図っています。

  

 ④緩和的放射線治療

   他の臓器へ多数個の転移を生じている状況では、緩和的な放射線治療が適応となり得ます。腫瘍からの出血の止

  血、疼痛の鎮痛、咀嚼・嚥下の改善、また骨転移に伴う疼痛の鎮痛や神経症状の改善といった症状緩和に有効性が

  高いです。緩和的放射線治療に必要となる放射線量は少ないため、治療に伴う副作用は軽微です。治療期間は2

  間以内が多く、状況に応じて12日間の短期間の治療も選択可能です。

   また、免疫チェックポイント阻害剤の治療効果を高める目的でも、放射線治療を追加することがあります。

 

 ⑤温熱療法 (ハイパーサーミア)

   当院では、口腔癌に対して放射線治療の治療効果を高める温熱療法を取り入れています。主に進行癌や再発癌を

  対象としています。がんの存在する領域の皮膚表面を2方向からパットで挟み込み高周波電流を流して加温しま

  す。1回の加温時間は4060分程度で、週に1~2回、放射線治療を行っている期間中に総5回程度行います。

 セカンドオピニオンの受け入れ    

   (  可  )

 患者さんにメッセージ

 

 頭頸部癌の治療に際しては、カンファレンスを行い、エビデンス(科学的根拠)に基づいた最適な治療を検討します。患者さんの価値観や全身状態、QOL(Quality of life: 生活の質)を重視した上で、最適な治療方針を決めています。患者さん及びご家族には、病状・治療選択肢について、分かりやすくかつ十分に説明し、納得できる治療を提供できるように努めています。根治可能な患者さんには、外科治療、術後補助化学放射線療法、導入化学療法、化学放射線療法などを、最適な組み合わせ・順序で行っています。治療に伴う有害事象に対しては、適切な支持療法を用いて治療が完遂出来るようにサポートします。一方、根治が難しい患者さんには、緩和的な放射線治療や化学療法を緩和ケアと並行して行い、QOS(Quality of survival)を目指した治療、すなわち現在の生活を出来るだけ長く過ごしてもらうことを目的とした治療を行っています。これらの頭頸部癌の治療は、専門的な知識と経験が特に必要となるため、頭頸部癌専門チームで対応しています。




産業医科大学 医学部 耳鼻咽喉科・頭頚部外科学  診療案内

https://www.uoeh-u.ac.jp/kouza/jibika/examination.html

産業医科大学病院 歯科・口腔外科

https://www.uoeh-u.ac.jp/hospital/gaiyo/bumon/sika.html

 

産業医科大学病院 形成外科

https://www.uoeh-u.ac.jp/hospital/gaiyo/bumon/keisei.html

 

産業医科大学病院 放射線治療科

https://www.radiationoncol.com/