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受付時間
 ※診療科ごとに診療日が異なりますのでご注意ください。
初診 午前 8時30分~11時00分
午後

13時00分~14時30分 (形成外科、一部専門外来)

再診 午前 8時30分~11時00分
午後 13時00分~14時30分

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休診日

土・日祝日、年末・年始
(12月29日~1月3日)
開学記念日:4月28日

喉頭がん

耳鼻咽喉科、頭頚部外科ホームページはこちら

 

病気について

 原因は喫煙で、患者の95%以上が喫煙者です。飲酒も原因の一つとされます。症状は、声枯れ、息苦しさ、嚥下困難が挙げられます。このような症状が長引く時は、受診をお勧めします。早期で発見されれば、放射線治療のみで90%以上根治できます。

診断について

 内視鏡検査を行い、病変を確認し、同部位より生検を行います。CTなどの画像検査を行い、リンパ節転移、遠隔転移の有無の評価をします。ステージを決定し治療方法を提示します。

手術療法

 進行した癌は、喉頭全摘術を行います。極めて早期の癌は、内視鏡下のレーザー焼灼術も効果的です。放射線治療後に再発した症例では、喉頭全摘術を行い、患者さんの喉頭温存希望が強い場合は、喉頭垂直部分切除術を行なっています。頸部リンパ節転移を認める場合は、頸部郭清術を行います。

内視鏡的治療

 早期癌の場合、全身麻酔下に内視鏡を用いて経口的にレーザー焼灼術や高周波メスを用いた切除術を行なっています。

局所的治療(経皮的治療、カテーテル治療など)

 該当なし

薬物療法

 喉頭温存希望の進行喉頭がんに対しては、根治治療前に導入化学療法を行うことも標準的治療の一つです。効果があれば放射線療法、効果がなければ外科的治療での根治治療を行います。

 切除不能な再発転移を有する喉頭がんに対しては、薬物療法が適応となります。標準的な治療は、抗がん剤(主にプラチナ製剤)と分子標的薬(セツキシマブ)を併用します。免疫チェックポイント阻害剤も、一定の条件を満たした場合には使用可能で、一般的に用いられています。ただし、薬物療法単独での根治は難しく、治療の目的は症状緩和/延命となります。1−2週間に1回の通院もしくは短期入院での抗がん剤の点滴が必要です。

放射線治療

根治的放射線治療

 根治的放射線治療は、喉の摘出を行わないため、発声や嚥下機能を温存できる大きなメリットがあります。高い制御率が望める早期癌では主たる治療法です。進行癌では、喉頭全摘手術を希望されない場合に行います。その場合は、抗がん剤を同時に併用(化学放射線療法)することで腫瘍を制御できる確率を高めます。強度変調回転放射線治療(VMAT)と呼ばれる、高精度な照射方法を採用しています。放射線治療後の唾液腺の分泌量低下などの副作用リスクを軽減することが可能です。さらに、当院では、放射線治療の治療効果を高める目的で温熱療法(後述)の併用が可能です。

手術療法後の再発予防を目的とした放射線治療

 手術療法を行った後に再発リスクが高い場合に、放射線治療の追加が必要です。腫瘍の周囲への浸潤が強い場合、リンパ節転移が大きい場合や多発していた場合などが相当します。放射線治療の追加により、再発を生じる確率が減少し予後が改善します。こちらでも高精度な強度変調回転放射線治療(VMAT)を用いています。唾液腺の分泌量低下などの副作用の発症率を軽減できます。治療効果を高める目的で、抗がん剤を併用する場合があります。

少数個の再発・転移に対する救済的放射線治療

 喉頭や頸部リンパ節の再発、また少数個(1~3個程度)の遠隔転移を生じた場合に、薬物療法に加えて救済的な放射線治療を選択することが可能です。遠隔転移は、肺の転移、縦隔などのリンパ節転移、骨転移などが対象となります。治療した腫瘍の高い制御効果が期待できます。特に5cm以下の少数個の肺転移に対しては、定位放射線治療(ピンポイント照射)が選択できます。

 過去に放射線治療が行われた喉頭や頸部リンパ節の再発では、摘出術が第一選択となります。摘出が困難な場合に、再度の放射線治療(再照射)が選択肢となります。通常、十分な量の放射線を投与できませんが、当院ではより腫瘍に対して高精度に放射線を集中させる強度変調回転放射線治療(VMAT)を用いることや、温熱療法(後述)を併用することで、治療効果の改善を図っています。

緩和的放射線治療

 他の臓器へ多数個の転移を生じている状況では、緩和的な放射線治療が適応となり得ます。腫瘍からの出血の止血、疼痛の鎮痛、嚥下の改善、また骨転移に伴う疼痛の鎮痛や神経症状の改善といった症状緩和に有効性が高いです。緩和的放射線治療に必要となる放射線量は少ないため、治療に伴う副作用は軽微です。治療期間は2週間以内が多く、状況に応じて1~2日間の短期間の治療も選択可能です。

 また、免疫チェックポイント阻害剤の治療効果を高める目的でも、放射線治療を追加することがあります。

温熱療法(ハイパーサーミア)

 当院では、喉頭癌に対して放射線治療の治療効果を高める温熱療法を取り入れています。主に進行癌や再発癌を対象としています。
 がんの存在する領域の皮膚表面を2方向からパットで挟み込み高周波電流を流して加温します。1回の加温時間は40~60分程度で、週に1~2回、放射線治療を行っている期間中に総5回程度行います。

セカンドオピニオンの受け入れ

(    可   )

患者さんにメッセージ

 私達は、標準治療で喉頭癌の根治を目指すことはもちろんですが、皆様の希望があれば、声を残す手術も提案しています。形成外科の協力の下、合同で声を残す手術にも積極的に取り組んでいます。ぜひ、ご相談ください。


産業医科大学 医学部 耳鼻咽喉科・頭頚部外科学 診療案内

https://www.uoeh-u.ac.jp/kouza/jibika/examination.html

産業医科大学病院 形成外科 診療案内

https://uoeh-prs.com/medical

産業医科大学病院 放射線治療科

https://www.radiationoncol.com/