消化器・一般外科
1 当科の特色
若松に根付いた医療をめざして、近隣の開業医さんと密接な連携をとりながら治療を行っています。外科全般についての診療を行っていますが、特に小さな傷で手術が行える腹腔鏡手術を取り入れています。がんの手術だけでなく、虫垂炎や胆嚢炎、ソケイヘルニアも腹腔鏡で行っています。また肛門疾患も専門的に治療を行っています。
2 どんな病気を診ているの?
胃がん、大腸がん(結腸がん、直腸がん)、乳がんなどの悪性疾患の他にも、肛門疾患(内痔核、外痔核、痔瘻、裂肛、肛門脱、直腸脱)、胆石症、ソケイヘルニア、虫垂炎などの手術を行っています。
3 消化器・一般外科 手術実績
2011年度 | 2012年度 | 2013年度 | 2014年度 | |
全体 | 144 | 178 | 197 | 188 |
胃がん | 6 | 10 | 7 | 13 |
大腸がん | 32 | 30 | 26 | 31 |
乳がん | 22 | 20 | 23 | 14 |
胆石症/胆嚢炎 | 10 | 10 | 27 | 23 |
ソケイヘルニア | 18 | 31 | 35 | 28 |
肛門疾患 | 6 | 11 | 8 | 5 |
腹腔鏡手術 | 23 | 38 | 72 | 98 |
4 消化器・一般外科 治療
(1) 大腸がん 手術
大腸がんは大腸(結腸/直腸)にがんができる病気です。当科での大腸がんの手術はほとんどが腹腔鏡で行っています。腹腔鏡で行うことにより、従来よりも傷が小さく、痛みが少なくなり、そのため手術後の回復が早いという長所があります。
腹腔鏡手術では4~5カ所 の穴を開けるだけです。
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従来の方法の傷 |
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腹腔鏡手術の傷 |
傷がひとつでできる 場合もあります |
(2) 大腸がんに対する最新の化学療法
大腸がん治療ガイドラインにそった最新の化学療法を行っております。手術の結果、必要な場合には、再発予防のための術後補助化学療法を行っています。また、進行・再発大腸がんの方に対しては、分子標的薬を併用した化学療法を、専門スタッフのいる外来化学療法センターなどで、安全に行っています。
5 胆石症/急性胆嚢炎
胆石症は胆のうに石ができる病気で、人によってはかなりひどい腹痛がおこることがあります。当科では胆石症に対して、傷の小さい(1個しかない)単孔式腹腔鏡手術を行っています。数カ所の穴を開ける腹腔鏡手術を比べても、さらに傷の痛みが少ないです。さらに臍に傷をいれて手術を行いますので、傷が治ってしまえば傷が全く分からなくなるため、若い方におすすめの手術です。
傷はおへその1カ所のみ |
手術の様子 |
手術終了後 |
6 ソケイヘルニア
足の付け根(鼡径部)の皮膚の下に腸が出てくる病気で、いわゆる脱腸と言われる状態です。そのまま放っておくと嵌頓といって腸が体の外に出たままの状態となり腸が腐ってしまうことがあります。治療には手術が必要になりますが、当科では腹膜前アプローチという再発しにくい方法で行っています。2013年度から、さらに腹腔鏡を導入し、小さい傷でも手術を行っています。
7 肛門疾患(内痔核/外痔核、痔瘻/ 肛門周囲膿瘍、裂肛、肛門脱/直腸脱)
大腸肛門の専門医により治療を行っております。手術以外の治療についても、ジオン注という注射で治す方法もあります。