消化器・一般外科

 当院では主に胃癌・大腸癌といった消化器癌や鼠径ヘルニア、胆石症などの良性疾患に対して、積極的に腹腔鏡下手術を行っています。腹腔鏡で行うことにより、従来よりも傷が小さく痛みが少なくなり、また合併症のリスクも軽減され、術後の回復が早いという長所があります。


1 当科の特色

 当科は現在スタッフ3名により構成され、胃・大腸などの消化管の悪性疾患をはじめ、腹部ヘルニア(鼠径ヘルニア、腹壁瘢痕ヘルニア等)、胆石症、虫垂炎、痔核や直腸脱などの良性疾患と幅広く手術を行っています。また悪性疾患については、手術だけではなく各種ガイドラインに基づいた化学療法や緩和ケア医療、栄養サポートなど、QOLを下げずにより良く生活して頂けることを目標とした治療を行っています。その他、良性疾患に対する保存的治療(抗生剤投与など)や検査入院なども行っております。

また近年の高齢化に伴い、老々介護世帯、独居高齢者世帯が増えており、退院後の生活を含む社会的なサポートが重要になっています。当院では、居宅介護支援事業所と訪問看護ステーションを併設しており、地域の医療機関と密に連携しながら退院後の生活を支援してまいります。

 

*紹介状なしの受診や当日の受診予約もしておりますのでお気軽にご相談ください。


2 どんな病気を診ているの?

 胃・大腸などの消化管、乳腺などの悪性疾患をはじめ、胆石症、虫垂炎、ヘルニア(鼠径ヘルニア、臍ヘルニア等)、直腸肛門疾患(内外痔核、痔瘻、直腸脱等)などの良性疾患に対する手術加療や腸閉塞・大腸憩室炎などの疾患に対する治療など幅広く診療を行なっています。また軽度な外傷にも対応しております。


3  手術実績 

<<過去3年の主な手術実績>>


◎胃・十二指腸 2023 2024 2024

胃全摘

胃切除

その他

1

3

2

0

2

0

3

6

1

上記のうち鏡視下手術 5 2 10


◎小腸・虫垂・結腸 2023 2024 2025

結腸切除

虫垂切除

腸閉塞

人工肛門造設

その他

20

4

0

3

9

20

2

3

4

5

19

7

1

5

9

上記のうち鏡視下手術 29 23 29
◎直腸・肛門 2023 2024 2025

直腸切除・切断

肛門疾患

その他

5

5

0

22

10

0

32

43

2

上記のうち鏡視下手術 5 7 14
◎肝・胆・膵・脾 2023 2024 2025

膵頭十二指腸切除

胆石症、総胆管結石

0

18

0

21

0

19

上記のうち鏡視下手術 18 21 19


◎腹腔・腹膜・後腹膜 2023 2024 2025

ヘルニア

その他

50

1

55

4

50

1

上記のうち鏡視下手術 40 41 44


◎乳腺 2023 2024 2025

乳房切除

乳房温存術

その他

0

0

0

5

1

10

1

0

6


ここ数年は直腸脱や痔核・痔瘻などの直腸肛門関連疾患に対する手術を積極的にやっており

症例数も多くなっています。 


この他にも外傷や粉瘤・脂肪腫などの皮膚疾患に対する手術も行っております。

 詳しくは外科外来にお問い合わせください。


4 消化器・一般外科 治療

(1) 消化器癌(胃癌や大腸癌)

      • 手術

当院では主に胃癌・大腸癌といった消化器癌に対してほとんどを腹腔鏡下手術で行っています。

腹腔鏡で行うことにより、従来よりも傷が小さく、痛みが少なくなり、そのため術後の回復が早いという長所があります。


図1-2.jpg

腹腔鏡手術では4~5カ所の

穴を開けるだけです。

写真1 従来の方法のキズ.jpg


従来の方法の傷



図1矢印.jpg

写真2 腹腔鏡手術のキズ.jpg

腹腔鏡手術の傷


      • 消化器癌に対する最新の化学療法 

それぞれの治療ガイドラインに沿った最新の化学療法を行っております。手術の結果、必要な場合には、再発予防のための術後補助化学療法を行っています。また、進行・再発癌の方に対しては、分子標的薬等を併用した化学療法を、入院もしくは専門スタッフのいる外来化学療法センターなどで安全に行っています。


(2)胆石症・胆嚢炎

胆石症は胆のうに石ができる病気で、人によってはかなりひどい腹痛がおこることがあります。当科では胆石症に対して腹腔鏡下手術を行なっています。 

(3)ヘルニア(鼠径ヘルニア、臍ヘルニア、腹壁瘢痕ヘルニアなど)

・鼠径ヘルニア(脱腸)について

 足の付け根(鼠径部)の皮膚の下に腸が出てくる病気で、いわゆる脱腸と言われる状態です。そのまま放っておくと嵌頓といって腸が体の外に出たままの状態となり腸が壊死・穿孔(穴が開くこと)してしまうことがあります。ヘルニアは手術をしないと治らない病気でありますが、当院では腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術(TAPP)を導入しており、重篤な合併症等なく安全かつ小さい傷での手術を行っています。


※ 当院における鼠径ヘルニア手術について→詳しくはこちら


 <日本ヘルニア学会 鼠径部ヘルニア手術登録について>

 日本ヘルニア学会では、学会に参加する施設で診療を行った鼠径部ヘルニアの診断・治療情報を登録し鼠径部ヘルニア手術の質の向上に役立てる取り組みを実施しています。

 当院は、上記の日本ヘルニア学会の趣旨に賛同し、鼠径部ヘルニア手術登録事業に積極的に協力しております。当院で診療を行いました鼠径部ヘルニアの者患者様については、個人情報を保護した上で、診断・治療情報をNCD(National Clinical Database)を通じて日本ヘルニア学会に登録させて頂いております。

 (但し、文書による非同意の意思表示がなされた場合には届出を致しません。また、登録後に登録削除の申し出をされた場合には登録を削除致します。ご不明な点などありましたら、主治医までお気軽にお尋ねください。)


(4)肛門疾患(内痔核/外痔核/肛門周囲膿瘍/直腸脱など)

 各疾患に応じて適切な処置および手術を行いQOLの改善に努めています。最近では特に直腸脱に対する経会陰式直腸脱手術(Altemeier(アルテマイアー)法)を積極的に導入し、手術件数も大幅に伸び、患者さんの症状改善に繋げています。


(5)その他

 

   急性虫垂炎・憩室炎などの炎症性腸疾患や外傷や粉瘤切除などの小外科にも幅広く対応しております。

   また腸閉塞や大腸憩室炎などに対する保存的加療(入院による輸液管理や抗生剤投与)なども行っております。