放射線科


放射線科とは 

 「放射線科」という診療科に耳慣れない方も多いかもしれません。放射線科は単純X線写真から最先端画像までの画像診断と画像誘導下で行う局所治療(インターベンショナルラジオロジー:IVR)、および放射線を使った侵襲性の少ないがん治療を行う診療科です。画像を扱う画像診断部門と放射線治療部門とから構成されます。

 産業医科大学若松病院ではX線写真、CT、MRIを中心に、画像診断のみの診療を行っています。しかし、IVRや放射線治療などが必要な場合には、詳細な診療・画像情報とともに産業医科大学病院への紹介が可能です。

現在の医療は画像診断なくして成り立たちません。しっかりとした画像診断が医療の質を保証する第1歩です。各種画像の専門的な評価・判断を行い、適切な診断・診療に繋げるべく各科と連携を図ります。放射線科医が直接患者さんに会う機会は少ないですが、患者さんが受ける医療の質を陰から支えています。

当科の特色

 産業医科大学若松病院では日本医学放射線学会の画像診断専門医がX線写真、CT、MRIなど画像診断を中心とした診療を行っています。血管内カテーテル治療や放射線治療などが必要な場合には、産業医科大学病院と連携した治療を行っています。

 

■CT

 人体に様々な方向からX線を照射し、透過したX線をコンピュータで解析することで、あらゆる体の部位の断層画像が得られる装置です。CTの登場は放射線診断の画期的な向上をもたらしましたが、さらに近年ではマルチスライスCTが開発され、緻密で高精度な画像を短い時間で撮影できるようになりました。

 当院でも64検出器のマルチスライスCT(東芝 Aquilion CX)が導入され、短時間に広範囲の画像を撮影することが可能となりました。この装置の細かい体軸方向分解能が得られる利点を生かして、視覚的にわかりやすい立体画像の作成や診断精度向上のための再構成画像の作成も行っています。また、従来より短時間で撮像できるため、放射線被曝の軽減もなされています。

 

■MRI 

 大きな磁石と電磁波を使用することで人体の断層画像を得る診断装置です。体のどの方向からでも断層画像を撮影することができます。MRIでは撮影条件を変えることにより様々な異なった画像を得ることができますが、できるだけ的確な病変の質的診断や広がり診断が得られるように複数の撮像法を組み合わせて診断しています。また血管を選択的に描出するMRアンジオグラフィや胆嚢、胆管、膵管を非侵襲的に描出するMRCPなども日常的に撮像されています。

 当院では2015年4月よりSIEMENS社のMAGNETOM Skyra 3Tを導入しています。これにより、従来の機種と比較して、より詳細な画像評価が可能となりました。また、当院の特色として、検査1件あたりに十分な検査時間枠を設けることにより、1回の検査で多くの情報が得られるようにしています。認知症などの疾患に対する脳萎縮の程度の評価や癌の転移検索を目的とした全身のMRI撮像など最先端の検査も数多く行っています。

 

 

 ●放射線科 スタッフ