耳鼻咽喉科
耳鼻咽喉科の担当領域は、慢性中耳炎・難聴・耳鳴り・めまいなどの耳疾患、顔面神経麻痺・味覚嗅覚異常などの神経学的疾患、副鼻腔炎・アレルギー性鼻炎などの鼻疾患、睡眠時無呼吸症候群、嗄声・咽頭痛などの口腔・咽喉頭疾患、唾液腺・甲状腺疾患などの頭頸部疾患など多岐にわたります。北九州市若松区にはこれまで耳鼻咽喉科医が常勤する病院がほかになく、また耳鼻咽喉科医院も数が少ないという現状がありました。産業医科大学若松病院耳鼻咽喉科を受診される皆様からは近くに耳鼻咽喉科がなくて困っていたという声も多く聞かれ、当科の担うべき医療は耳鼻咽喉科疾患全般に対する家庭医としての役割も大きいと考えています。
当科の特色として、これまで産業医科大学病院で行っていた睡眠呼吸障害専門外来の母体を産業医科大学若松病院に移設し、いびきや睡眠時無呼吸症候群およびその周辺疾患に対して、臨床検査・輸血部、臨床工学部、関連診療各科と協力したチーム医療を行っています。さらに頭頸部がんや鼻副鼻腔悪性腫瘍などにつきましては、産業医科大学病院耳鼻咽喉科頭頸部外科の各専門医療チームと綿密な連携体制をとって対応にあたっています。これからも地域貢献のため、質の高い医療が提供できるよう努めてまいりますので、どうぞよろしくお願い致します。
専門外来
(1)
睡眠呼吸障害外来(火曜、金曜午後)
わが国では、働く世代の3人にひとりが「眠り」になんらかの問題を抱えているといわれています。最近の研究では睡眠不足が、がん、心疾患、脳血管疾患、肥満、うつ症状など多くの疾患に結びつくことが明らかとなっており、耳鼻咽喉科疾患の中にも、睡眠呼吸障害だけでなく、めまい、突発性難聴、アレルギー性鼻炎など発症に睡眠が関連する疾患、あるいは睡眠中に病態が悪化する疾患が多く存在します。当科では睡眠呼吸障害を中心に睡眠医療の視点からも診療を展開しています。
(2)補聴器相談(火曜、金曜午前)
補聴器が必要な難聴者のうち、実際に補聴器を使用しているのは4分の1ほどといわれています。
補聴器には生活の質や安全面において多くのメリットがあります。難聴を正しく評価するには、中耳炎などの耳の病気がないか診察を受け、純音聴力検査や語音明瞭度検査などの詳しい検査を行う必要があります。耳の管理は耳鼻咽喉科医が、補聴器の管理は補聴器取扱店が分担することによって、より安全に補聴器を使うことができます。また、身体障害や労災などに該当する高度・重度の難聴の場合、補聴器購入費用の補助を受けられることがありますが、この場合も耳鼻咽喉科の診断が必要です。当科で火曜、金曜午前に補聴器相談を行っています。
耳鼻咽喉科スタッフ