集中治療部 部長挨拶
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近年の高度化された医療のなかで、多くの医師は専門領域の知識や技術を習得していきます。いわゆる臓器別の医療です。一方、集中治療医学では、“内科系・外科系を問わず、”全身を診る“ことが求められます。呼吸・循環・代謝・栄養など生命を維持するためのベーシックな領域の医療が中心となります。人工呼吸器や体外循環装置、血液浄化装置など最先端の技術を駆使して心臓や脳などの大手術後の管理や生命の危機的状況にあるショック、各種の急性臓器不全、重症感染症などに対し、総合的・集中的に治療を実践して回復させることが集中治療医学の目的です。
産業医科大学病院の集中治療部は、1981年に4床でスタートしました。その後6床、10床と増床し今日に至っています。毎日のカンファレンスや回診では、最新の医療機器やモニター類を使用しながらバイタルサインや理学所見を重視し、注意深い身体診察により状態評価を行って治療方針を検討しています。またベッドサイドでケアと観察を行ってくれる集中治療部ナースも集中治療を支える強力なスタッフです。ともに協力して最善の治療が行われるよう心がけています。
集中治療室といえば多くの医療機器に囲まれた人間味のない医療を想像する方もおられるかもしれません。心の通った温かみのある集中治療が我々の信条であり目標です。そしてそれが実践できるスタッフの養成も我々に課せられた重要な使命だと考えています。
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診療教授/部長 相原啓二
(更新日:令和4年5月29日)