国際交流便り(第4号) - 2014年1月14日配信
第1回5Sセミナーの開催
新年おめでとうございます。年の初めに、産業医科大学のますますの発展をOBの一人として祈念申し上げます。
私は、現在JICAシニアボランテイアとして、ミクロネシア・ポンペイに派遣され、ちょうど1年が経過しました。任期は2年です。
昨年12月、ポンペイ州立病院で、5S(整理、整頓、清掃、清潔、しつけ)委員会主催によるセミナーを実施しました。5S委員会は、病院の環境改善、経営改善及び患者サービスを目的として、同年8月に起ち上げたものです。それまでは個人的に病院の執行部に提案していたものを委員会の総意として提案できるようになったことは大きな前進です。セミナーは2日間、委員会の趣旨に沿った内容で行われました。
アメリカからの財政支援(国の歳入の60%を占める)が10年後には完全に無くなることから、私は中長期的な病院運営計画、経営上の問題である未収入金への対策、毎月の薬品、診療材料及び電気料金などのコスト削減、患者へのアンケートの実施、情報のオープン化などの問題点を指摘し(どこかで聞いたことのあるようなテーマだとは思われませんか?)、想定できるこの国に適応した対策をプレゼンしました。
この病院の人達(執行部も含めてですが)は、計画をすること、計画通り実行することが苦手のように思われます、時間通り会議を行うことなどは大変まれです。日頃はのんびり屋さんでいいのですが、国の新しい局面においてはみんなが考える時期にきていること、そのことをもっと真剣に知ってほしいと思っています。
情報は共有するもので個人の持ち物ではありません。誰かがするのを待つのではなく行動を起こすのはあなたです。患者が何をどう思っているのかアップデートな情報が病院スタッフには絶えず必要です。このことは特に強調しました。
最近、病院内で5Sという言葉がはやってきました。理解されてきたことをうれしく思います。1年後の次回のセミナーは私の総括をしたいと思いますが、その前に、提案したものの未実行な事案の解決、病院での災害訓練やミクロネシア4島での共通システムの構築など欲張った考えを持っています。病院の器は異なっても、財政基盤やスタッフの力量は異なっても患者への接しかたは同じです。白衣の肥満した看護師が患者に接している姿を見ていると何かしら人間の尊厳を感じます。いつもかたい話で恐縮です、日本の税金で活動させていただいていると思うと私ものんびりできません。
以下は、私のプレゼンの結論です。
Conclusion
1 To know the current situation by means of disclosed data.
2 To find out the way to solve the problem together.
3 Discussion almost finished. It’s time to take a concerted and corrective action immediately.
4 Who is the person to improve the hospital? Not specific person, it’s you, not any one.
5 There are many issues to solve in the hospital. We must move forward to tackle with them little by little.
Kalahngan (thank you)
(写真)病院でのクリスマスパーティやワークショップ等
(写真)今年7月に行われる、ミクロネシア全域からの参加者によるミニオリンピック(第2回)の前哨戦も兼ねたカヌーレースの様子や、応援にかけつけた病院の皆さんとの様子等
(写真)カヌーレースは大藤さんのカウンターパート(赤Tシャツ)のチームが優勝
(写真)ごちそうは豚の丸焼き