研究内容の紹介
高年齢労働者の産業保健というテーマは非常に幅広いため、学内外との共同研究を積極的に実施している。現在は、労働災害、公衆衛生、社会疫学、臨床疫学、データサイエンスから基礎研究などを実施中。博士課程プログラム(産業衛生学専攻)も実施している。
-
高年齢労働者の労働災害の予防に向けた疫学研究用データベースの構築
患者の具体的な仕事内容がわかる大学病院患者データベースの作成を目指している。詳細な職業情報に、生活習慣や臨床情報、レセプト情報などを結合させた大規模研究データベースへの発展も視野に入れている。また、労働災害や健診データを用いた高年齢労働者の労働災害の疫学研究も実施している。
-
がん登録や病院患者における職業歴を用いた社会疫学研究
がん登録や臨床データを用いた非感染性疾患のリスク、病態や予後などの職業格差を分析している。ハーバード大学や東京大学と共同研究を実施している。大規模コホートデータを用いた分析、喫煙、飲酒や運動などの生活習慣の媒介の影響の評価も実施している。
Causal
diagram
representing
4-way
decomposition
of
the
association
between
manual
workers,
advanced
stage,
and
overall
mortality.
Zaitsu
M,
et
al.
Occupational
disparities
in
survival
from
common
cancers
in
Japan:
Analysis
of
Kanagawa
cancer
registry.
Cancer
Epidemiol.
2022;77:102115.
https://doi.org/10.1016/j.canep.2022.102115
Immunohistochemistry
staining
high-mobility
group
box-1
among
renal
cell
cancer
patients.
Zaitsu
M,
et
al.
Occupational
disparities
in
tumor
grade
and
cytosolic
HMGB1
expression
in
renal
cell
cancer.
J
Occup
Health.
2022;64(1):e12340.
https://doi.org/10.1002/1348-9585.12340
3 加熱式タバコの急性影響や大学病院患者などの新たな職域の疫学研究
今後、職場での増加が見込まれる加熱式タバコの喫煙による急性健康影響の評価、また学内外の既存データ(レセプトデータ、コホートデータ、患者データなど)を用いた一般的な臨床疫学研究や社会疫学研究を実施している。
Zaitsu M, et al. Maternal heated tobacco product use during pregnancy and allergy in offspring. Allergy. 2022 Sep 29. doi: 10.1111/all.15536. https://doi.org/10.1111/all.15536
4 報道発表
加熱式タバコに関する研究結果は以下のとおり報道発表されました。
(1)令和4年10月25日(火)、26日(水)NHKニュース
①
妊娠中の喫煙で新生児のアレルギー発症率高まる
産業医科大|NHK
北九州のニュース
②
妊婦の加熱式たばこで子どものアレルギー発症率上昇 産業医大|NHK
福岡のニュース
(2)
令和5年1月25日(水)Healio(Medical
News,
Journals,
and
Free
CME)
Heated
tobacco
product
use
in
pregnancy
associated
with
allergic
disease
in
offspring
(healio.com)