国際センターからの挨拶

 令和4年4月から国際交流センターから国際センターへの組織改編に伴い、初代国際センター長を拝命致しました。重責を担うことになり身の引き締まる思いです。皆様のご支援とともに御指導御鞭撻を賜りますよう宜しくお願い申し上げます。

 産業医科大学の設立趣旨は「産業医学の振興や資質の高い産業医を養成」ですが、その達成のためには国際化は回避できなくなってきました。国際化は医学の全領域に共通する課題です。国際センターでは、グローバル社会を見据え、建学の精神に則り、国際交流活動を推進することを理念としています。また、従来の国際交流に関する事業内容に加えて、本学の国際的な地位の向上を新たな事業内容に追加することで、より広範囲に国際協力、情報発信などを行う体制を構築することがミッションです。

 これまでの国際交流センターでも、医学部や産業保健学部での国際間交換教育、国際遠隔講義、WHOCC, ILO, JICAなど国際機関との協力事業、23大学との国際交流協定の締結など国際交流の推進に大きく貢献をしてきました。これらの継続に加え、本学の国際的な地位の向上のために、新たな事業や企画を提案、実践していく必要があります。THE世界大学ランキングで高い評価を受けましたが、この評価を維持するためには国際的な地位の向上が喫緊の課題です。

 まず、“University of Occupational and Environmental Health, Japan”という大学名のグローバルな認知度、評価の向上が最重要課題です。国際センターではWEBやSNS等の効率的活用、国際遠隔講義の充実、国際シンポジウムや国際WEBinarの定期的な開催などの検討を開始しました。長期的には産業医学分野でのグローバルリーダーを育成し、グローバル化時代を先導し、グローバル社会での本学の使命の遂行を目指すべきです。10年先の進歩を見据えて新たな潮流を実感するためにも、若い力、皆様の英智の結集が必要です。皆様のご協力をどうぞ宜しくお願い致します。

国際センター長 田中 良哉


 私は、産業医科大学を卒業して、専属産業医として勤務で義務年限終了後、40歳のときに米国ボストンにあるハーバード公衆衛生大学院に武見国際保健プログラムという枠組みで留学をしました。そこから見た日本は、とても内向きに見えました。皆さん、ご存知のように、日本は少子高齢化が急速に進んでいきます。その時に、更に内向きになって縮小均衡的な未来を選ぶか、外に打って出て、海外との多様なやり取りを通じたダイナミズムを取り込んでいく未来を選ぶか選択肢は二つに一つだと思っています。本学の評判をアジアで、その先の世界で高めていくために、学内の皆様にご支援をいただきながら、海外の大学との交流や、本学と海外の大学との共同研究の推進に少しでもお役に立てるように精進いたします。皆様、どうぞよろしくお願いいたします。

                                                 副センター長 江口 尚


 私は本学を卒業した後、タイに留学しました。アジアの国々を訪問すると、本学で研修を受けたり、共同研究をしている研究者によく出会います。そのような時、私は卒業生として母校をとても誇らしく思いますし、そのような人のつながりから次の研究につながっていくことも少なくありません。アジアの途上国では、じん肺や化学物質中毒、過重労働など日本が経験してきた産業保健の課題に直面しています。産業医大がそのような国々に貢献できる機会を増やしていきたいと考えています。

また、国際交流や海外留学に興味がある学生のキャリアを応援したり、本学の外国人教員や留学生が研究や勉学に集中できるようサポートしていきます。ともすれば、本学の学生は単科医科大学として閉鎖的な日々を過ごしがちですが、知識や技術だけでなく、海外の多様な文化や価値観に触れることで人としても成長してほしいと思います。

副センター長 石丸 知宏