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プレスリリース 妊娠中の加熱式タバコ喫煙と子どものアレルギー発症リスクの関連性が世界で初めて明らかに

 本学の研究者により、妊娠中に母親が加熱式タバコを喫煙することで、子どものアレルギーのリスクが上昇する可能性が初めて明らかになりました。妊娠中の加熱式タバコの禁煙の啓発を加速させる必要があります。

 世界的に見て、新型タバコによる健康影響が公衆衛生上の大きな懸念となっております。特に、妊娠中の新型タバコの喫煙は、生まれてくる子どもに悪影響を与えている可能性がありますが、加熱式タバコおよび電子タバコともにエビデンスがなく不明でした。

 そこで、産業医科大学高年齢労働者産業保健研究センターの財津將嘉教授は、大阪国際がんセンターがん対策センターの田淵貴大部長補佐らとともに、大阪国際がんセンターが保有しているJACSIS妊産婦調査(2021年)の産婦と子どものペア5688組のデータを用いて、妊娠中の母親の加熱式タバコの喫煙と生まれてきた子どものアレルギー発症リスクの関連を求めました。

【判明した事実】

① 妊娠中に加熱式タバコを喫煙していた母親から生まれたこどものアレルギー発症率は平均値の約2倍の上昇を示しました。 

② 加熱式タバコを一度も喫煙したことがない母親から生まれた子どもに対して、妊娠中に加熱式タバコを喫煙した母親から生まれた子どものアレルギー発症は用量依存的に上昇し、加熱式タバコの喫煙量が1日1本増えると、アレルギー発症率が5%上昇しました。 

③ アレルギー発症リスクは、妊娠初期に加熱式タバコを喫煙した場合が一番高く、加熱式タバコを禁煙すればリスクが半減しました。

 本研究成果は、権威ある学術誌に掲載が決定し、オンラインにて先行早期公開されています(European Academy of Allergy and Clinical Immunology (EAACI)が発行する国際的医学雑誌である「Allergy」)。