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微生物学 研究内容

   微生物学の進歩はめざましく、これまでに各々の病原微生物の引き起こす感染症が次々に明らかにされてきました。一方で、ヒトや動物は多くの微生物と共同して生命体を構築しており、その微生物叢は健康維持あるいは様々な疾病の発症に重要な関わりを持っていることが注目されるようになりました。

   当教室では、微生物の生態を捉えることによって病原性を解明する研究を目指しています。とくに、臨床的見地やフィールドワークを重視しながら、広い視野でヒト生体内や環境における微生物叢を知り、その場における微生物同士あるいは微生物と生体との相互作用を明らかにすることにより、病原微生物の真の生態と病原性に迫りたいと考えています。


  現在次のような研究テーマに取り組んでいます。


網羅的細菌叢解析

   網羅的細菌叢遺伝子工学的解析システムを構築し、臨床試料(例:鼻汁・口腔粘膜病変部)の細菌叢を解析して病態の解明や治療・予防戦略に応用しています。また、様々な環境試料中の細菌叢を調べ、試料の理科学的性状と環境微生物叢との相関に関する研究を行っています。


 レプトスピラ感染症の疫学、病態解明、診断・予防法の開発

   レプトスピラ症は世界最大の人獣共通感染症の1つです。選択剤を組み合わせることにより環境中のレプトスピラの分離が可能になり、土壌中に高率に生息していることがわかってきました。フィリピンなど海外の流行地との共同研究を行いながら、環境中でのレプトスピラの生態について研究を進めています。また、不明な点の多いレプトスピラの病原因子や感染症の病態についても第2病理学教室、共同利用研究センターと連携しながら解明を進めています。


 劇症型A群レンサ球菌感染症の病態解明

   劇症型A群レンサ球菌感染症は、健康人が突然発症し、進行が早く、死亡率も30~80%と非常に高い感染症です。わが国では患者数は増加傾向ですが、その発症メカニズムについては十分に解明されていません。私達の見出した動物モデルを用いて、発症メカニズムを研究しています。

  

抗酸菌の細胞内増殖機構の解析

   結核菌と同じ抗酸菌の仲間である低病原性のスメグマ菌はマクロファージ内で増殖しませんが、細胞内増殖性をもつ株を見出しました。抗酸菌の細胞内増殖機構を明らかにするため、このスメグマ菌を用いてマクロファージ系株化細胞内での増殖性について解析を行っています。岡山大学の大原直也先生、帝塚山大学の藤原永年先生との共同研究です。


 レジオネラの発する蛍光を利用した検出装置の開発

   レジオネラは、浴場やアロゾルの発生する職場環境に潜んでいます。豊橋技術科学大学との共同研究で、マイクロ流路を利用したレジオネラ検出装置の開発を行っています。


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産業医科大学医学部微生物学
〒807-8555
北九州市八幡西区医生ヶ丘1-1
電話 : 093-691-7242
FAX : 093-602-4799


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文責:微生物学

更新日:2021年 4月 30日