学長挨拶

堀江学長.jpg産業医学を基盤に、働く人々の健康を支える

産業医科大学長 堀江 正知


 産業医科大学は、「産業医学の振興と優れた産業医・産業保健専門職の養成、質の向上」を使命とする、わが国唯一の大学です。産業医科大学病院は、北九州医療圏における特定機能病院として、高度で先進的な医療を提供するとともに、「治療を、そして働くことをあきらめない医療」を実践しています。
 本学は、初代学長・土屋 健三郎 先生が「建学の使命」に掲げられた「人間愛に徹し、生涯にわたって哲学する医師の養成」と、「人類のより良い生存をかちとるための新しい福祉社会の樹立」という理念を胸に、大学と病院を運営しています。
 私は、昭和61年に本学を卒業し、日本鋼管株式会社(現 JFEスチール株式会社)の専属産業医として勤務し、平成13年より本学で教育・研究に携わり、令和8年より学長を務めています。労働人口の減少と超高齢化が進むわが国において、健康上の課題を抱えながら働く人々を支えるために、職場や作業の実情を理解した医師、看護職、労働衛生専門職の役割は今後ますます重要になります。医療の使命は、病気を治療することにとどまりません。働くことは生活の基盤であり、人の尊厳や生きがいとも深く結びついています。こうした時代に、医療人や専門職に求められるのは、真理を洞察する知性と他者に尽くす利他の精神であると考えています。
 令和10年に開学50周年を迎えることを見据え、本学は、教育においては、産業医学の体系的なカリキュラムや卒後研修体制を充実させ、学生・卒業生一人ひとりの成長とキャリア形成を支えてまいります。研究においては、研究支援体制を強化し、職場特有の曝露要因による健康影響や就業支援をはじめ本学が得意とする課題に取り組み、その成果を広く社会に還元してまいります。診療においては、先進医療の提供、医療技術の開発、優れた医療人の育成、医療安全の確保に努めるとともに、地域医療機関との連携を一層深めてまいります。社会貢献においては、労働衛生上の課題解決に積極的に取り組み、産業保健に関する研修や国際的な情報発信を推進してまいります。
 今後、本学は、教育・研究・診療・社会貢献の各領域で着実な発展を図り、ハイジニストの養成をはじめ社会的要請に応えながら、わが国における労働安全衛生活動を推進できるよう努めてまいります。そして、教職員が緊密に連携しながら「産業医大未来構想2040」に掲げる長期ビジョンの実現に向けて着実に歩みを進めてまいります。産業医学の中核として持続的に発展し続けるよう力を尽くしてまいります。今後とも本学へのご理解とご支援をお願い申し上げます。