学長挨拶

産業医大の輝かしい未来のために

産業医科大学長 上田 陽一

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 令和5年4月より第10代学長に就任いたしましたのでご挨拶申し上げます。皆様どうぞよろしくお願い申し上げます。
 産業医科大学は、1978(昭和53)年4月開学以来、「優れた産業医・産業保健専門職の養成と産業医学の振興」を目的・使命として45年にわたりたゆまない努力が続けられてきました。現在では、本学の卒業生が全国各地でいろいろな場面で活躍しており、産業医学・産業保健分野において極めて高い評価を得ています。
 3年以上にわたる新型コロナウイルス感染はパンデミックから脱却し、新たなステージを迎えようとしています。本学は構内に大学病院を擁していますのでウイズコロナを意識した一般よりも厳しい対応が求められますが、学内の停滞せざるを得なかった種々の活動や対外的、特に海外の大学等との交流事業が盛んになることを期待します。この3年間を振り返りますと、感染流行の大波が何度も押し寄せて、本学の教育、研究、診療、運営に極めて重大な影響を及ぼしました。しかしながら、教職員の皆様、そして卒業生を始め関係者の皆様の学内外でのご活躍は素晴らしく、心より敬意を表したいと思います。今後、どのような困難が待ち受けていようと必ず乗り越えて本学のさらなる発展へと結びつけることができるものと確信します。
 現在、20年後の産業医科大学のあるべき姿・目指すべき姿として策定された「産業医大未来構想2040」の達成に向かっての出発点ともいえる第4次中期目標・中期計画(令和4〜9年度)が進行中です。この未来構想は、「働く人々の健康としあわせを支えるオンリーワンの大学としての発展を目指す」ことをコンセプトとし、5つの分野別ビジョン(1.教育、2.研究、3.診療、4.社会貢献、5.大学運営)からなります。私は、“産業医科大学の輝かしい未来のために”この「産業医大未来構想2040」の実現に向けた取り組みを着実に実行することが学長の使命と考えます。
 私は、本学医学部を昭和62年3月に卒業し、平成12年11月に医学部第1生理学講座第2代教授に就任以来、教育・研究をはじめ、医学部入試副本部長、学生部長、教育研究支援施設長・図書館長、IR推進センター長および副学長(教育・研究担当)としていろいろなことにチャレンジしてきました。
 入試では2002(平成14)年度に国公立大学入試日程からの離脱という本学入試制度の大変革を経験し、学生部長時に採択されました文科省「新たな社会的ニーズに対応した学生支援プログラム」は現在も継続・実施されており、最近では、大学基準協会による第3期審査受審、日本医学教育評価機構(JACME)の分野別国際認証評価受審を経験しました。令和5年度より改正医師法によりOSCE・CBTが公的化され医学部教育はさらなるステージへ進みます。外部評価機構から、本学の使命・目的である「産業医学の振興と優れた産業医・産業保健職の養成と質の向上」はもとより、学生支援体制・卒業生との親密な連携や社会貢献が高く評価されており、とても誇りに思っています。
 今年8月には、大学病院の急性期診療棟が開院・診療を開始し、地域の高度急性期医療・最先端医療の新たな中核となります。この新棟には最新の医療設備はもちろんのこと、産業医学臨床センターが設置されるという本学独特の特徴があります。医師の働き方改革が本格的に進んでいきます。
 私は卒業生の一人として、そして教職員の皆様とともに、「産業医科大学で働きたい」、「産業医科大学で教育を受けたい」、「産業医科大学病院で診てもらいたい」、「産業医科大学は頼りになる」、「産業医科大学の卒業生や教職員にとって誇りである」、そんな愛校心に満ちた大学を目指したいと思います。

令和5年4月