理事長挨拶

働く人々の命、健康、環境を守る

学校法人 産業医科大学
理事長 生田 正之

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 産業医科大学は、「産業医学の振興と、優れた産業医・産業保健専門職の養成、質の向上」を目的とする我が国唯一の大学として1978年に設立され、学内・学外を問わず、日本中の産業医の養成、質の向上に貢献しています。
 そして、翌1979年に診療を開始した大学病院は、北九州唯一の特定機能病院、最大の病床数を誇る病院として、若松病院は地域の中核病院として、高度急性期医療、地域医療を提供し、地域住民の皆様からの厚い信頼を得ています。

 開学以来、「働く人々の命、健康、環境を守る」大学として、教育、研究、診療、社会貢献を強力に推し進めてきました。
 イギリス・タイムズ社の世界大学ランキング(THE2023では、4年連続して総合順位で国内の私学第1位に輝くなど、常に上位をキープしています。
 「産業生態科学研究所」は、1988年からWHOの指定協力機関として世界の産業医学・産業保健に貢献し続けています。
 医師国家試験・看護師国家試験・保健師国家試験は、すべて高い合格率(2023年は、それぞれ98.0%100%100%)を誇っています。
 そして、8,000名を超える卒業生は、全国、各界で活躍し、我が国の産業医学・産業保健分野で中心的役割を果たしています。

 「働き方改革」が我が国の最重要課題の一つとなる中で、産業医・産業保健専門職が果たす役割、権限は益々大きくなっています。
 メンタルヘルス対策、過重労働・長時間労働対策、治療と就労の両立支援、高年齢労働者の安全・健康対策、大規模災害発生時の産業保健、コロナをはじめとする感染症への対応、さらには新たな課題である化学物質の自律的管理への対応など、本学がリードしていくべき課題は増え続けています。
 政府が2023年3月に策定した「第14次労働災害防止計画(20232027年度)」にも、産業保健の分野で本学が担うべき対策が数多く盛り込まれています。

 そのような中、本学がその「目的・使命」を達成し、永続的に発展していくため、2021年に20年の長期ビジョン「産業医大未来構想2040」を策定しました。現在このビジョンに基づく「第4次中期目標・中期計画(20222028年度)」の実現に向け全学で取組みを進めています。

 2023年8月には、最先端の高度先進医療、高度急性期医療を担い、地域医療をリードする「急性期診療棟(産業医養成施設)」が開院します。 
 また、長期ビジョンに基づく、本学の永続的な発展にふさわしい魅力あるキャンパス環境を実現するため、現在の建物などの施設や基幹的な設備などの課題解決に向け、長期的な施設整備の道筋を示す「キャンパスマスタープラン」を策定しています。
 これにより、学生の皆さんの学習環境、患者さんの療養環境、教職員の皆さんの職場環境の一層の改善を計画的に進めていきます。
 開学後45年を経過し、本学は第2ステージに向けて始動します。

 本学が、さらなる飛躍、発展を遂げ、日本中、世界中の皆さんから期待され、信頼される大学であり続けられるよう、全力で取り組んでまいります。 
 本学に関わる皆様の一層のご理解とご協力、ご支援を、何卒よろしくお願い申し上げます。  

令和5年7月