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令和7年度 入学式が4月3日に挙行されました

令和7年度 入学式 が4月3日(木)10時から挙行されました。

学長式辞は、以下のとおりです。

令和7年4月3日

令和7年度入学式 式辞 

 ご入学おめでとうございます ―夢の実現をオンリーワンの大学で―

学長 上田 陽一

 産業医科大学医学部ならびに産業保健学部看護学科・産業衛生科学科に入学された新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。本学の教職員を代表して心より歓迎の意を表します。そして、新入生を今日この日まで温かく見守り育ててくださった保護者の皆様、関係者の皆様に厚く御礼申し上げます。

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 新入生の皆さんは医学部においては48回目、産業保健学部看護学科では4年制に改組後30回目、産業衛生科学科では6回目の入学生となります。
 今年の冬は、厳しい寒波が何度も日本全体を覆い、各地で豪雪被害が生じました。被害にあわれました地域の皆様にお見舞い申し上げます。皆さんは、この厳しい冬の時期の入学試験を乗り越え、きっと安堵されていることと思います。

 皆さんは中学校・高校生活、そして大学受験において2020年初頭からの新型コロナウイルス感染症パンデミック、地震・豪雨などの自然災害、今年の長く厳しい冬の間にも勉学をとめることなく努力してきました。今日から始まる大学生活への期待はとても大きくなっていることと思います。

 同時に新生活へ漠然とした不安もあることでしょうが、どうぞ安心してください。皆さんにはこうして同期の仲間がいます、頼りになる在学生や先輩がいます。本学の教員には多くの卒業生がいます。本学は教職員と学生との距離がとても近くアットホームな大学です。
 皆さん学生一人ひとりを指導教員が担当し、個別面談を実施して学習・生活などの指導・相談を行います。また、手厚い経済的な学生支援制度があります。いろいろな悩みについては学生相談室の相談員に気軽に相談できます。保護者の皆様からのご相談にも対応致します、ぜひ活用してください。

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 産業医科大学はアドミッションポリシー(入学者受け入れの方針)を明確に掲げています。本学医学部は、“産業医学の振興と優れた産業医の養成”を目的として設置された我が国唯一の大学です。標準的な医学教育カリキュラムに加えて、独自の産業医学教育を行い、働く人々の病気の予防と健康の増進に貢献し、健やかに働き豊かに暮らせる社会の実現に寄与できる医師を育成”します。産業保健学部は、“働く人々の健康と安全を守るため、看護、作業環境管理、労働安全衛生マネジメントなどに関する教育と研究を行っています。医療および産業保健分野において、必要な知識、技術およびチームワーク精神を身につけ、豊かな人間的感性および科学的洞察力を備えた人材を育成”します。

 現在、産業医科大学に限らず大学教育は大きな変革の時期にあります。入学者の受け入れ方針であるアドミッション・ポリシー、教育プログラムの編成方針であるカリキュラム・ポリシー、卒業までに身につけるべき内容を定めたディプロマ・ポリシーが本学医学部、産業保健学部看護学科、産業衛生科学科それぞれに定められています。さらに、卒業までに修得すべき能力(コンピテンス)と具体的な到達目標(コンピテンシー)をきめ細かに設定し、習得度を確認しながら学修を進めていきます。

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 皆さんがこれから身につけるべき膨大な知識・技能がきちんと整理され、習得度は可視化され、そして3つのポリシーはIR(Institutional Researchの略、入試―入学―在学―卒業―卒後までを一貫してサポートする総合学生支援)推進センターの分析データを参考にしながらPDCA(Plan→Do→Check→Actによる継続的な改善)を回すことで改善されていきます。学習方法もこれまでの受け身の座学から積極的なアクティブラーニングへと変えなければなりません。ぜひ、自ら学ぶ姿勢を身につけてください。

 こうして皆さんは医師、産業医、看護師、保健師、作業環境測定士、衛生管理者などの国家資格の取得を目指し、それぞれの分野のプロフェッショナルとしてお互いに協働しながら社会で活躍するための基盤を大学生活の中で培っていくことになります。同じキャンパスで過ごす仲間としてお互いの専門性を理解し、学部学科の垣根を超えた交友関係を築いていただきたいと思います。そして、産業社会からの熱い期待に応えて活躍してほしいと願っています。皆さんの先輩である卒業生は、全国各地で多様な分野において大活躍しており、とても誇りに思っています。

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 皆さんに一つの提案があります。“10年後の私へ”というタイトルでメッセージを書いてみてください。“ 私は、本日産業医科大学に入学しました…”から始まる文章です。入学式の今のこの気持ちを忘れないで高い志(こころざし)を持ち、そして持続していただきたいと思います。
 大学での主役は皆さんです。大いに学び、友人、先輩・後輩との絆を深め、多くのことを経験し、高い倫理観を身につけ、心身ともに健全に大きく成長を遂げて社会に旅立つ日を迎えることを心より願っています。

 初代学長の土屋健三郎先生は、医学部一期生の入学式において建学の使命を述べられ、私たち卒業生の心に深く刻まれ語り継がれています。その使命をご紹介します。1.産業医科大学は人間愛に徹し生涯にわたって哲学する医師・医療人を養成し、2.産業環境を中心とする環境科学とライフサイエンスとの融合発展に努力を払い、3.経済学をも含む新しい生態学を発展せしめ、4.産業化社会における産業医学の確立のみでなく、地域医療との有機的な結合をはかり、もって二十一世紀の医学分野における先駆者として、人類のより良い生存をかちとるための新しい福祉社会を樹立することを建学の使命とする。

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 “人間愛に徹し生涯にわたって哲学する”という言葉の意味は深く、新入生の皆さんにも考え続けていただきたいと思います。なお、初代学長のご功績を顕彰してラマツィーニホール前の広場が“土屋健三郎広場”と命名されました。
 現在、産業医科大学は「産業医大未来構想2040」を策定して働く人の健康を守るオンリーワンの大学として、その目標に向けて全学をあげて邁進しています。本学は3年後の令和10(2028)年には開学50周年を迎えます。皆さんは在学中に開学50周年の記念日を迎えることになります。今月1日より産業医科大学開学50周年記念事業準備室が立ち上がりました。皆さんとともにお祝いする日を楽しみにしています。

 “治療と働くことをあきらめない”をモットーとする本学大学病院は北九州医療圏で唯一の特定機能病院であり、一昨年8月には産業医学臨床センターならびに両立支援室を擁する急性期診療棟が開院・診療を開始し、地域の高度急性期医療・最先端医療の中核を担ってフル稼働しています。
 また、産業医科大学の国際的な認知度は非常に高く、産業生態科学研究所はWHO指定協力機関として、国際センターはアジア諸国との国際交流協定を数多く締結し、さらにはILOとの協力関係を築いています。皆さんの将来の活躍の場は国際的にも大きく広がっています。
 ラマツィーニホールの名称の由来となりましたベルナルディーノ・ラマツィーニ医師は、職業と疾病の関連に着目して1700年に著書「働く人の病」を出版しました。その原著がホールロビーに展示されています、ぜひ御覧ください。ラマツィーニ医師は、イタリアの名門校パドヴァ大学の教授として教鞭をとりました。パドヴァ大学は、ニコラウス・コペルニクスやガリレオ・ガリレイなどの著名な学者が在籍し、近代解剖学・病理学を確立した大学としても有名です。産業医科大学は、昨年末にパドヴァ大学と基本合意書(MOU)を締結しました。今後、本学とパドヴァ大学との国際交流が深まることが期待されます。

 産業医科大学は輝かしい未来を創造するために産業医大未来構想2040を策定しています。働く人の健康を守るオンリーワンの大学としてこの実現のため全学をあげて邁進しています。

 本来、大学とは学生の好奇心を大いに刺激するサイエンスとインテリジェンスと創造性に満ちたワクワクする場所・知の拠点であり、学生一人ひとりの夢を実現する場所なのです。本学には、たくさんの仲間がいます、在学生のサークル活動、同窓会や卒業生の集まりもとても活発です。オール産業医大を合言葉に先輩も後輩もいろいろな場面で密なつながりを持っているのが本学の特徴の一つです。
 新入生の皆さんは今日から産業医科大学の一員となります。ぜひ、“働く人の健康と命をまもり、働きがい・生きがいを支える”オンリーワンの大学・産業医科大学で皆さんの夢を実現しましょう。そして、産業医科大学とともに輝かしい未来を創っていきましょう。

本日はご入学おめでとうございました!

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