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自己免疫疾患と免疫細胞のネットワークが明らかに (本学を中心とした過去最大規模の免疫フェノタイプ解析による)

 産業医科大学 医学部 田中 良哉 教授、中山田 真吾 准教授、田中 宏明 大学院生(第1内科学講座)、大阪大学大学院医学系研究科 岡田 随象 教授らの研究グループは、自己免疫疾患患者を対象にした解析により、自己免疫疾患と免疫細胞のつながりを表すネットワークを明らかにし、どの免疫細胞がどの自己免疫疾患の発症に関わっているのかという長年の謎に答える成果を上げました。

 今回、研究グループは、産業医科大学第1内科学講座を代表とする多施設共同研究に参加された約1,000名の自己免疫疾患の患者を対象に、46種類の免疫細胞の状態を調べる免疫フェノタイプ解析を実施し、11種類の主要な自己免疫疾患が網羅され、免疫フェノタイプ解析として過去最大規模の研究報告になりました。

 研究成果のポイントは、①自己免疫疾患と免疫細胞のつながりを表すネットワークを明らかにしたこと、②患者層別化解析を行い、関節リウマチの免疫フェノタイプに近い患者群と全身性エリテマトーデスの免疫フェノタイプに近い患者群の2群に分類され、治療反応性とも関わることが明らかになったこと、③遺伝的背景と免疫フェノタイプを比較することで、関節リウマチに合併する間質性肺疾患の病態と樹状細胞の関わりが示唆されたことです。

 本研究で解析された免疫フェノタイプ情報や自己免疫疾患患者の層別化分類方法、個人のヒトゲノム情報を組み合わせた活用に関する研究が今後加速することで、不明な点の多い自己免疫疾患の更なる病態解明や、個別化医療の展開につながることが期待されます。

報道発表資料はこちらをご参照ください。