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第3次中期目標・中期計画

I  大学の基本的な目標

 本学は、医学一般についての教育・研究・診療を基に、産業医学及び産業保健に関する特色ある教育・研究を実施し、優秀な産業医及び産業保健従事者を数多く社会に輩出するとともに、関連分野に関する研究を進め、また地域において医療に関する中核的役割を担ってきている。

 わが国内外の社会経済環境が大きく変化する現在、大学教育、また医療に対する期待が高まる中、本学は、医科大学としての教育・研究・診療の基盤を強化し、産業医学及び産業保健の中核を担う豊かな人間性に富む人材を養成するとともに、産業医学の振興及び産業保健の推進の更なる発展に努め、医療の提供においては地域に密着し、かつ先進的な機能の充実を図る。

 このため、特に以下の事項について重点的に取り組む。 

1 時代の変化に対応しうる能力を培うとともに、質の高い教育・研究を推進する。
2 産業医学及び産業保健の教育を充実し、産業医及び産業保健従事者の養成と質の向上に寄与する。
3 労働と健康に関わる産業医学及び産業保健の研究を推進し、その成果を国内外に広く普及する。
4 特定機能病院として高度急性期医療を推進するとともに、地域における中核病院として、安全かつ質の高い医療を提供する。
5 社会貢献に取り組み、教育・研究・診療に関する情報発信を積極的に行う。
6 安定した経営基盤を確立するとともに、大学施設の建替え等の整備、開学40周年記念事業を推進する。
7 本学の社会的使命を果たすため、コンプライアンスの徹底を図る。


II  第3次中期目標の期間

 平成28年4月1日から平成34年3月31日までの6年間とする。


I 大学の目的を達成するための目標
1 教育に関する目標
(1)学部教育に関する目標
     ~産業医学・産業保健の中核を担う人材を養成する~
中期目標 中期計画
 高い倫理観及びコミュニケーション能力を備えた人間性豊かな医師、看護師、保健師及び労働安全衛生専門職を養成する。
 1年次から、総合教育科目、人文・社会学系科目を中心とした教育を行い、幅広い教養を身につけ、人間性豊かな医師、看護師、保健師及び労働安全衛生専門職を養成する。
 また、教育内容について検証し、改善を継続的に行う。
 医学部は、総合教育・医学基礎で培った基本的な教養と、基礎医学と連携させた臨床医学を学ばせ、更に6年間を通じ系統的な産業医学教育を実施し、優れた産業医の養成を図る。
 医学教育をベースとして、医学的総合力を身に付けさせるとともに、産業医学教育については、1年次から6年次まで系統的に産業医学関連科目を履修することにより産業医志向を育む。
 また、優秀な産業医を育成するための教育内容について検証し、改善を継続的に行う。
 医学教育分野別評価基準に対応した医学教育カリキュラムを編成し、充実した医学教育を実施することにより、医療の国際化に対応できる医師を養成する。  医学部においては、医学教育分野別評価基準に基づく医学教育認証制度に対応するため、臨床教育等を充実させた医学教育カリキュラムの大幅な見直しを行うとともに、円滑な実施を進め、国際化にも対応できるグローバルな人材の養成にも努める。
 産業保健学部は、看護学科については、看護基礎教育をベースとし、看護実践能力があり、産業保健マインドを持った看護師、産業保健師を養成する。
 環境マネジメント学科については、労働安全衛生の専門職として活躍できる人材の養成を図る。
 看護学科については、看護実践の基盤となる知識、理論、技術を学ばせ、病院等との連携により看護実践能力を身につけさせ、更に産業保健マインドを持った看護師を養成する。また、産業保健看護学の特色ある専門教育を実施し、産業保健師としての実践能力を持った人材を養成する。
 環境マネジメント学科については、第二種作業環境測定士、第一種衛生管理者の国家資格を無試験で取得でき、更に労働安全衛生マネジメントシステムを専門的に学べる日本で唯一の学科として、作業環境管理、作業管理、健康管理の三つの柱を体系的に教育し、労働安全衛生専門職の育成に努める。
 また、これら専門職育成のための教育内容は、教育課程の編成・実施方針(カリキュラム・ポリシー)等に基づき、適切な内容となっているか継続的に検証し改善を行う。
 課題探求、解決能力を向上させる教育方法を整備するとともに、厳格な成績評価を引き続き実施する。   基礎研究室配属や臨床実習等において、引き続き少人数対話型教育を推進するとともに、各授業科目ごとに、教育の一般目標と学生が到達すべき行動目標を教育要項で明示し、学生の学習意欲を高めるよう努める。
 また、成績評価については、厳正かつ公平に実施する。 
(2)大学院教育に関する目標
   ~広い視野を持った次世代の研究リーダーを育成する~ 
中期目標 中期計画
 高度な研究能力と豊かな学識を有する人材を養成するとともに、産業医学の発展に貢献する。
 学術研究の進歩や高度化に対応するため、大学院の教育・研究のあり方について必要な検討を加え、その充実を図るとともに、適切な研究指導により学生の計画的な研究を促し、社会人大学院生も含め標準修業年限内の学位取得を促進する。
(3)学生の受け入れに関する目標
     ~産業医学・産業保健にチャレンジする人を求める~
中期目標 中期計画
 医学部は、全国から、本学の設置目的を理解し、将来産業医として活躍しうる優秀な学生を確保する。
 高等学校、予備校への進路説明会への参加、オープンキャンパスや大学見学会の開催等を積極的に行い、入試情報等の広報活動を充実するとともに、本学の設置目的、アドミッション・ポリシーについて周知し、求める学生像を明確にする。
 また、入学後の産業医への養成実績などの分析を行うとともに、今後予定される入試制度改革を見据えながら、入学者選抜方法等の継続的な検証・改善を図る。 
  産業保健学部は、看護学的な立場と理工学的な見地から働く人の健康を守る専門職の養成を目指すため、この目的を理解した視野の広い優秀な学生を確保する。  本学にふさわしい学生を確保するため、学部・学科の求める学生像を一層明確にするとともに、高校訪問の実施、オープンキャンパスの開催、オープンラボ等の高大連携の実施等により、アドミッション・ポリシーに応じた効果的な広報活動を展開する。
 また、今後予定される入試制度改革を見据えながら、入学者選抜方法等の継続的な検証・改善を図る。 
 大学院においては、自らが主体的かつ積極的に課題に取り組み、解決する能力を有する学生を受け入れる。
  産業医学・産業保健分野の様々な課題に対応する優秀な人材を確保するため、医学専攻、産業衛生学専攻及び看護学専攻ごとに特色ある学位の授与、学生の選抜を行うこととし、アドミッション・ポリシー等を学内外に周知するなど、全学的な研究指導体制の中で効果的な大学院生募集を展開し、社会人・留学生の入学者を増加させる。
 特に、医学専攻においては、本学卒業生に加えて他大学卒業生、社会人及び留学生の受入れを推進するための広報活動を積極的に行い、学生充足率を向上させる。産業衛生学専攻においては、社会的ニーズを反映した授業科目の精査を行い、博士課程前期・後期ともに充実を図る。看護学専攻においては、修士課程の充実に向け、専門・認定看護師教育の実施に係る課題等について検討を行う。
(4)国家試験に関する目標
     ~高い合格率を維持する~
中期目標 中期計画
 国家試験の合格率について、高い水準を維持する。
 個々の学生の成績を把握し、学習指導教員による指導を行うとともに、国家試験結果の分析、国家試験の情報をすべての教員に周知し、授業、試験等を通して学生指導を強化する。
 医師国家試験合格率については95%以上を目指し、看護師及び保健師国家試験については全員合格を目指し、その実現を図る。
(5)教育の質の向上に関する目標
   ~質の向上への取り組みを継続的に実施する~
中期目標 中期計画
 教育活動の評価実施体制を整備し、その評価に基づいた改善を実施する。
 学生による授業評価を実施し、それに基づく授業内容の改善を図る。
 教育内容や方法の組織的改善と教員の教育能力の向上を図るため、引き続きファカルティ・ディベロップメント(FD)を推進する。
 臨床実習に臨む学生の質を担保するため、臨床実習開始前の学生に行う共用試験を厳正に利用する。
(6)学生への支援に関する目標
   ~親身な相談やきめ細かい情報提供に努める~
中期目標 中期計画
 学生生活に関する指導・助言体制の充実を図る。
 指導教員制度の更なる拡充を図るとともに、特に学生のメンタルヘルス対策として、学生相談制度等を充実させ、学生の支援体制を強化する。
 医学部においては、総合学生支援として、大学と企業との連携を更に充実し、学生の事業所訪問、卒業生産業医との意見交換会等をより多く実施する。
 産業保健学部においては、健康状態を把握し、緊急時に即応できる体制を強化する。 
 情報化社会にあってIT技術を用いた情報通信システムをより発展させ、学生支援情報の提供に努める。 
2 研究に関する目標
(1)産業医学及び産業保健の研究に関する目標
   ~社会の求める課題解決に寄与する~
中期目標 中期計画
 産業医学及び産業保健の中心として、社会が直面する課題の解決に役立つ成果の創出に努め、研究を推進する。
 本学の特色ある研究を推進し、メンタルヘルス対策、過重労働対策や治療と就労に関する両立支援等社会や産業界のニーズに応じ、研究成果を積極的に情報発信し、その成果が実際の社会で持続的に活用されるよう社会に実装する。
 医学部においては、医学・医療に貢献できる研究はもとより、本学の特色となる労働者の健康・疾病に関する研究課題を臨床医学・基礎医学・社会医学的見地から探究する。
 学内共同研究、産学連携活動を通じ、うつ病患者の職場復職、治療と就労の両立支援、中高年齢者の労働能力の維持向上、就業適性に関する研究、化学物質曝露のバイオマーカー等に関する研究に取り組む。
 産業保健学部においては、看護学領域・産業保健領域における現代的諸課題に対応した研究を推進する。  労働者の健康の維持・向上に資する看護学領域での研究を進めるとともに、労働現場における作業環境やばく露の評価と改善、更に快適職場環境の形成に必要な諸技術の開発、労働安全衛生マネジメントシステムの推進、産業ストレスの疫学的研究と生物学的メカニズムを明らかにするための免疫学的研究の推進、労働者の生活習慣病の予防と対策、産業保健師の役割とニーズに関する調査等、実践的な研究に取り組む。
 産業生態科学研究所においては、職業性疾病の予防と就業適性の向上に資する研究課題を探究する。  産業医学を系統的に三つの専門分野(快適環境部門、健康支援部門、環境評価部門)に分けて、ナノ素材や新規化学物質等の先端産業が使用する化学物質に関する課題、アスベスト等の粉じんに関する課題、電離放射線・暑熱・騒音等の物理的有害要因に関する課題、心理的ストレス・過重労働・睡眠障害等の作業負担に関する課題、高年齢労働者や持病を有する労働者等の就労能力に関する課題、産業保健の政策や組織マネジメントに関する課題といった多様な研究課題に取り組む。
 
(2)研究の質の向上に関する目標
   ~国内外の機関との交流を進める~ 
中期目標 中期計画
 本学の発展に寄与する研究活動の活性化を推進し、その質の向上を図る。
 研究業績の評価を勘案して研究費の配分を行うとともに、重点的に産業医学・産業保健分野の研究活動を支援する。
 産学官連携の推進により、知的創造活動を活性化し、研究の促進を図る。
 産業界、他大学及び行政等の外部機関との連携・協力を促進し、共同研究・受託研究等を積極的に推進する。
 産業医学の振興発展のため、国際水準の研究、国際交流等をより一層推進する。  国際活動の中核組織として設置された国際交流センターを中心に研究者交流、国際シンポジウム、外国人留学生の交換留学等の促進・充実に努める。
 企業等の持つ産業保健データを活用し、産業保健業務及び産業保健関連研究の支援を行う。  産業保健データサイエンスセンターにおいて、企業、健康保険組合等から労働者の健診データを収集し、これを統計学的に解析することで科学的根拠に基づいた研究の推進に努める。
(3)研究環境整備に関する目標
中期目標 中期計画
 高度な研究活動を促進するための研究環境を整備する。
 図書館及び共同利用研究センター等教育研究支援施設を計画的に整備し、研究の推進を支援する。
 学内における環境マネジメントシステムを構築することにより、環境保全活動の推進を図る。
 研究活動等において取り扱う化学物質及び毒物、劇物等の保有量、使用量等の一元管理を行うとともに、環境保全委員会を開催し、効率的使用に関する法改正等への対応及び適正な排出対策の検討・実施を図る。
3 産業医及び産業保健従事者に関する目標
(1)産業医の養成に関する目標
   ~一層活躍が期待される産業医の増加を図る~
中期目標 中期計画
 専門性及び実践能力に優れた産業医を養成する。
 産業医学教育を1年次から6年次まで各学年に亘り系統的に実施し、特に、産業医学現場実習と産業医学卒後修練を充実することにより、産業保健推進の中心的役割を担うことのできる専門性の高い人材を養成し、毎年度70名以上を産業医に従事させる。
 また、本学卒業生を対象に実施する産業医学卒後修練課程について、検証結果に基づく必要な改善と専門医制度との整合化を図り、実践力・指導力に富む産業医を多数輩出する。

 他学卒業生も含め、社会の要請に応じ、幅広く産業医を養成する。  

  産業医活動を行うために必要な基本的知識・技術を修得することを目的とした「産業医学基礎研修会集中講座」を、計画期間中(6か年)に4,000名以上の医師を対象に実施する。
 産業医学の基本から実践までを体系的に教育することを目的に実施している産業医学基本講座、産業医業務に関する知識及び技術を幅広く実地に研修することを目的としている産業医学実務講座等の高次専門職教育に、他学卒業生を広い地域において積極的に受け入れ、専門的実務能力の高い産業医の養成を図るとともに、就労促進の方策についても検討する。併せて、首都圏をはじめとするニーズを把握した事業の展開を検討する。
 産業医学・産業保健関係業務に従事する者の増加を図る。  卒業生に産業医学・産業保健関係業務に関する情報及び相談の場を提供するなど、関係業務への就労に向けた支援を行う。
 進路指導の充実を図る。    卒業生の希望に沿った求人先の開拓、最新の求人情報の提供、迅速な窓口での相談・指導等産業医への就職支援の充実を図る。
(2)産業保健従事者の養成に関する目標
   ~求められる人材に合わせた更なる育成を進める~
中期目標 中期計画
 産業保健従事者として活躍できる人材を養成する。
 本学の設置目的に沿った教育により更に多くの優秀な産業保健従事者を養成し、関連職場への就職に向け、学生のニーズに応える求人開拓、低学年からの卒業生の体験談を聴く会の開催、教職員間の情報の共有化等、更なる進路支援の充実を図る。
(3)産業医及び産業保健従事者の能力向上に関する目標
   ~社会の変化に対応できる能力の向上を推進する~
中期目標 中期計画
 卒業後も含めた産業医等の研修プログラムの充実を図る。
 修練期間中だけでなく、修了後も含めた、産業医等のキャリアに応じた研修プログラムの充実を図る。
 大学が蓄積した産業保健に関する知見を広く社会に提供する。
 産業医をはじめとする産業保健スタッフ等の人材育成等について充実、強化を図るため、長年蓄積してきた過労死等防止対策などに係る研究・教育の成果、ノウハウを活用し、より実践的な内容による研修を実施し、学外に本学の知見を広く提供する。
 産業保健に関する知見を基に、企業、事業所等における産業保健活動を支援し、産業保健サービスの充実を図る。
4 病院に関する目標
(1)大学病院に関する目標
   ~高度急性期医療を推進する~
中期目標 中期計画
 特定機能病院及び高度急性期病院としての機能を更に充実させ、地域における高度急性期医療の中核としての役割を着実に果たす。
 北九州医療圏におけるがん診療のトップを目指し、脳卒中、心筋梗塞、糖尿病等、高齢化により増加する疾病における急性期医療を適切かつ効率的に提供するとともに、治療と就業の両立を支援する取り組みを行う。
 紹介患者数の増、地域のニーズに合った連携の実施、入院から退院を円滑にする前方・後方連携の強化及び患者支援等を一体的かつ効果的に実施するため、患者サポートセンターの組織強化を図る。
 診療に専念できる環境の整備を図るため、医師・看護師の負担軽減を推進する。
 高度急性期医療を推進するために、必要な人員の確保、施設・設備の整備等を実施する。
 効率的な医療情報システムの運用を図る。
 在院日数の短縮を図り、新入院患者を増加させるため、更にクリニカルパスの利用推進、DPCデータの活用等を推進する。
 患者第一を基本に安全かつ質の高い医療を提供するとともに、患者サービスの向上を図り、魅力ある病院を目指す。  患者への適切なインフォームドコンセント、患者パス等による治療計画の説明等により、患者が納得し、主体的に医療を受けられる環境を整備する。
 科学的根拠に基づく安全かつ質の高い医療を提供する。
 医療事故防止、病院感染防止等、医療安全対策及び情報管理対策を充実、強化する。
 診療指標の公開等による地域住民への情報提供等の充実を図る。 
 学生の教育、初期臨床研修の着実な実施及び高度な知識と技術を備えた専門職医療人を養成する。  初期臨床研修医の増加を目指すため、初期臨床研修の受入環境及び魅力的なカリキュラムの整備を行う。
 先進医療に対応できる人材を養成するため、高度かつ専門的な医療知識・技術の教育、臨床研究を促進する環境整備等を図る。
 また、専門・認定看護師の増加を図るとともに、看護職のステップアップのための研修を行う。
 健全な経営基盤を確立する。  平均在院日数、病床稼働率等の指標について、目標値を設定し、管理と評価を行う。
 厳しさを増す医療制度改革に対応するとともに、確実な診療報酬算定のための人材育成及び体制整備を図る。
 機能的かつ効率的な病院運営のため、組織及び運営の見直しを常時行う。
 若松病院との機能分化及び連携を促進し、両院の収支改善を図る。
(2)若松病院に関する目標
   ~地域に信頼される医療を提供する~
中期目標 中期計画

 地域における急性期病院としての機能を果たすとともに、在宅療養支援に取り組む。

 病床機能報告制度による県単位での医療提供体制の再編等の地域包括ケアシステム構築に向けた制度改正を踏まえた対応をとる。
 若松区唯一の総合的な病院として、地元医療機関等との緊密な連携・協力・支援を通じて、患者紹介、逆紹介を促進する等、地域の中核病院として急性期医療を推進する。 
 円滑な病院運営を図るため、必要な組織・人員の見直し及び医療機器の整備等を行う。
 訪問看護事業及び居宅介護支援事業を実施し、在宅療養支援を強化する。

 安全かつ質の高い医療を提供し、信頼される病院であるとともに、魅力ある病院を目指す。

 患者への適切なインフォームドコンセントや治療経過に関する十分な説明を行い、患者の意思を尊重した医療を提供する。
 医療事故防止、病院感染防止等、医療安全対策及び情報管理対策を充実、強化し、安心して医療を受けられる環境を整備する。
 大学病院との調整を行い、最適な医療情報システムの運用を図る。
 医療相談や退院支援を充実させるとともに、患者サービスの向上及び患者アメニティの改善を図る。

 教育病院として、医学部学生の臨床実習における効果的かつ円滑な実施に努める。

 医師を目指す学生が、実際の患者の診察・治療を体験し、医師として不可欠な知識・技能・態度を修得するための環境整備等を図る。

 確固たる経営基盤を築き、黒字化を目指す。

 特色ある診療を実施し、診療単価及び患者数の増加を図るとともに、経費を節減し収益改善を行う。
 入院・外来における患者数、平均在院日数及び病床稼働率等の指標について目標値を設定し、管理と評価を行う。
 診療報酬算定の精度を高めるため、高度な専門知識を有する人材を育成する。
 大学病院と診療機能を分担し、両院の特性を活かした包括的経営により収益改善を図る。
5 社会との連携や社会貢献に関する目標
  ~本学の強みを活かす~
中期目標 中期計画
 本学の知見や研究成果を社会に還元し、公益に寄与する。
  福島第一原発事故対応の労働者への医療支援を継続する。
 海外学術機関及びWHO等国際機関との学術交流を推進するとともに、学外機関からの国際研修の要請に応える。
    市民公開講座を開催するなど、地域に対して社会貢献を図る。 
   産学官連携により、社会的な活用を踏まえた知的財産の権利化を積極的に推進する。 

 

II 業務運営等に関する目標
 1 組織・人事に関する目標
   ~機能的な組織と適正配置を目指す~
中期目標 中期計画
 全学的に機能的かつ効率的な組織とする。
 社会の変化や要請に対応するため、組織の業務を精査し、体制を整備する。
 職員の配置については、中長期的展望を視野に入れた計画的な採用、配置等を行う。
 事務局における再雇用者の業務・位置づけについて、整備する。
  人事考課に基づく適正な業務評価を実施するとともに、職員の資質向上のために職員研修の充実を図る。
 2 財務・経営管理に関する目標
   ~財政基盤の安定化と収益性の確保に努める~
中期目標 中期計画
 財政基盤の安定化を図る。
  会計処理を適正に実施し、経営状況の把握と分析による経営管理を行い、現状を認識するとともに、原因把握や具体的な改善を行う。
 適正な予算編成を行うとともに、管理経費等の支出を抑制した予算執行を実施する。 
 3 自己収入及び外部資金獲得の増加に関する目標
中期目標 中期計画
 自己収入の増加を図る。
 開学40周年記念事業等の実施に係る財源を確保するため、募金を行う。
    自己収入の確保を図るため、学校法人産業医科大学資金運用規程に基づき、資金を安全かつ有利に運用する。 
 科学研究費等外部研究資金の獲得に努め、収入の拡大を図る。   文部科学省、厚生労働省等が公募する科学研究費補助金等の外部研究資金募集情報を教員に周知するとともに外部資金の一層の獲得を図るための支援体制・環境整備に努める。科学研究費補助金等については、採択率の向上に向けた分析とその具体的な方策を検討し、常に安定した獲得を目指す。 
   企業との業務提携を活用し、更に共同研究・受託研究等の外部研究資金を獲得する。 
 4 魅力ある職場づくりに関する目標
    ~健康で働きがいのある職場を目指す~
中期目標 中期計画
 職員の意欲・資質の向上のための取り組みを図る。
  魅力ある職場づくりのために、職員の意見・要望を聴取する仕組みを活用し、職員が積極的に仕事に取り組めるよう具体的な取り組みを図る。
 職員の職場環境の整備を図る。  職員の健康面やワーク・ライフ・バランスに配慮し、超過勤務の削減に向けた方策に取り組む。
 男女共同参画推進のための方策の計画及び実施に係る支援を図る。
 労働安全衛生法等を踏まえて、教育研究環境の安全・衛生の確保を図る。    労働安全衛生法等に基づいた労働安全衛生マネジメントシステムの適切性、有効性を検証するとともに、職員等に対して安全衛生教育等を推進し、安全衛生管理・事故防止への意識の高揚を図る。 
 学生及び職員の健康保持増進を図る   保健指導をきめ細やかに実施し、心身の健康保持増進に努め、学生と職員の生活を健康面から支援する。 
 5 情報発信等の推進に関する目標
   ~グローバルな情報発信を行い、社会に役立てる~
中期目標 中期計画
 教育・研究・診療情報、社会貢献、大学運営等に関する情報発信を推進する。
 本学の教育・研究・診療の状況や成果に関し、積極的に情報公開・発信を行い、本学の社会的責任を果たすとともに、認知度の向上を図る。
 本学が蓄積した知見や成果を社会が求める情報として発信する。その一環として、本学における産業医学・産業保健に係る情報を充実させるとともに、国内のみならず、海外への対応のため外国語によるホームページの更なる整備を図る。
 6 評価の充実及び活用に関する目標
   ~客観的な評価を大学運営に活かす~
中期目標 中期計画
 自己点検評価及び第三者評価を実施し、その結果を大学運営の改善に反映させる。
 大学基準協会の認証評価結果を教育・研究・診療活動等の見直しや質の向上に反映させるべく、組織的な対応を継続的に実施する。
 自己点検・評価及び第三者評価の評価結果を教育・研究・診療活動等の見直しや質の向上に反映させるべく、組織的な対応を継続的に実施する。
学長による大学における教育・研究の推進機能を強化するとともに、学長の業務執行状況について、業績評価を行う。
 7 施設整備に関する目標
   ~将来に向けて、安全・安心な施設を整備する~
中期目標 中期計画
 大学施設の老朽化に対応するため、必要な措置を講じる。
  大学施設の耐震補強について、具体的に検討し、順次実施する。
    新病院建替えに関して、具体的な基本構想を策定し、建築・資金計画の検討を行うとともに、建設準備を行う。
   老朽化した基幹設備について、計画に基づき更新する。
   情報システムに関して、大学内における各システムの環境整備を行う。
 8 コンプライアンスの徹底に関する目標
   ~社会からの信頼維持に努める~
        中期目標 中期計画
 大学の社会的責任を果たすため、コンプライアンスの確立に向けて、継続的な推進を図る。
 職員のコンプライアンス意識の定着を図り、法令及び学内規則等を遵守するとともに、高い倫理観と良識をもって行動するため、遵守への取り組みを行う。
   大学を取り巻くステークホルダーとの信頼関係の構築のため、迅速かつ適切で公平な情報開示により、大学運営の透明性を図る。
   個人情報に関して適用される法令等を遵守するとともに、本学の個人情報保護に関する規程に基づき、情報の適正な取得・管理・利用に努める。
   情報セキュリティの維持及び向上を図るため、情報セキュリティ講習会の実施や実施(運用)マニュアル等の充実を図り、情報機器及びツールの適切な利用について、教職員への啓発に努める。 
   科学的根拠に基づく安全かつ質の高い医療を提供し、適切なインフォームドコンセントを実施する。 
   研究活動における不正を防止するための組織的な取り組みを推進する。 
    公的研究費の不正使用を防止するための組織的な取り組みを実施する。 


 過去の中期目標・中期計画はこちらからご覧ください。

   ・第1次中期目標・中期計画(平成16年4月1日~平成22年3月31日)

   ・第2次中期目標・中期計画(平成22年4月1日~平成28年3月31日)