教育・研究内容
教育内容
医学部
1年次……総合教育セミナー(前学期) テーマ・顕微鏡に親しむ
2年次……基礎病理学/講義・実習(後学期)
3年次……病態病理学/講義・実習(前学期)
基礎研究室配属 (前学期~後学期)研究テーマ人体疾患(特に悪性腫瘍や動脈硬化症など)に関する病理学的解析
4年次……臨床検査医学
6年次……統合講義
大学院
1年~4年 医学研究科博士課程 専攻…生体適応系
部門…生体機構
研究内容
第2病理学教室では消化器疾患を中心に「がん」の病理学的研究を行なっています。また関連する血管の分子病理学的解析や動脈硬化の研究も進めています。
実施中の研究及びお知らせ
2006年1月から2022年3月までに巣状分節性糸球体硬化症あるいは微小変化型ネフローゼ症候群と診断された患者さんおよび保護者(親権者または未成年後見人)の方へのお知らせ
2011年1月から2020年12月までに腎生検を受けた産業医科大学病院の 患者さん及び保護者(親権者または後見人)ご家族へのお知らせ。
産業医科大学病院及び産業医科大学若松病院において平成20年1月から平成25年12月の間に胃癌と診断され外科的切除をされた患者さん及びそのご家族の方へのお知らせ。
2006年1月から2022年3月までに巣状分節性糸球体硬化症あるいは微小変化型ネフローゼ症候群と診断された患者さんおよび保護者(親権者または未成年後見人)の方へのお知らせ
当院では、以下の臨床研究を実施しております。この研究は、通常の診療で得られた情報の記録に基づき実施する研究です。このような研究は、「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針(令和3年3月23日制定 令和3年6月30日施行)」により、対象となる患者さんのお一人おひとりから直接同意を得るのではなく、研究内容の情報を公開するとともに、参加拒否の機会を保障することとされています。この研究に関するお問い合わせ、また、ご自身の診療情報が利用されることを了解されない場合は、以下の問い合わせ先にご連絡ください。利用の拒否を申し出られても何ら不利益を被ることはありません。
1.研究課題名 巣状分節性糸球体硬化症における足細胞の接着因子に関する研究
2.研究期間 研究機関の長の許可日 ~ 2025年3月31日
3.研究機関 産業医科大学病院
4.実施責任者 医学部第2病理学 教授 中山 敏幸
5.研究の目的と意義
[目的]微小変化型ネフローゼ症候群(MCNS)と巣状分節性糸球体硬化症(FSGS)は蛋白尿がでる疾患ですが、発症機序がどのように違うのかこれまで明らかになっていません。またFSGSには亜分類がありそれらの機序の違いも明らかではありません。最近FSGSでは、β1インテグリンという接着因子の機能低下がFSGSの発症機序に関わっている可能性が報告されています。FSGSと診断された症例で、より詳しくβ1インテグリンの分布や遺伝子発現の程度を明らかにすることによってFSGSの発症機序を究明できる可能性があります。
[意義] FSGSの機序や亜分類での機序の違いが明らかになれば、亜分類ごとに治療方針を決定するなど、より細やかな治療提供や薬剤の開発が可能となります。
6.研究の方法
2006年1月から2022年3月に産業医科大学病院ですでに診断された腎生検症例(FSGS、MCNS)を対象とします。臨床所見(年齢、性別、薬剤投与歴、血液学的検査、血液生化学検査、尿検査等)、病理組織学的所見(腎生検の所見)と免疫組織化学染色の所見の差異を明らかにするために統計解析を行います。
7.個人情報の取り扱い
参加者を特定できる個人情報は、一切公表しません。症例を登録する場合には、研究責任者の管理の下、匿名化(対応表あり)を行います。この研究によって得られた成果を学会や論文などに発表する場合には、個人を特定できる氏名、住所などの個人情報は一切使用しません。本研究の解析前の試料(ホルマリン固定パラフィン包埋標本及び凍結標本)は本学第2病理学教室にて保管します。この研究終了後収集されたデータは産業医科大学第2病理学教室において当該研究の終了について報告した日から5年間または当該研究の結果の最終の公表について報告した日から3年間のいずれか遅い日までの期間保管します。保管期間終了後、参加者の個人情報等は、研究責任者の管理の下、完全に匿名化されたことを確認の後、情報は復元できないよう消去・廃棄し、試料は医療廃棄物として廃棄します。また、本学に残された対応表も、同様の措置にて廃棄します。同意を撤回された場合も、その時点までに得られたデータを、同様の措置にて廃棄します。利用拒否の申出が可能で、同意しないことを申し出た場合には対象から外す対応をしますので、下記問い合わせ先にご連絡ください。
8.問い合わせ先
産業医科大学病院病理診断科 専修医 片渕 瑛介
産業医科大学医学部第2病理学 教授 中山 敏幸
〒807-8555 北九州市八幡西区医生ヶ丘1-1 TEL: 093 (691) 7426
9.その他
研究への参加に対する直接的な利益はありません。この研究は後ろ向き研究のため、参加者に新たな費用は生じません。また対象者には研究参加による謝礼はありません。本研究は一切の利益相反はなく、産業医科大学利益相反委員会の承認を得ており、公正性を保ちます。
2011年1月から2020年12月までに腎生検を受けた産業医科大学病院の 患者さん及び保護者(親権者または後見人)ご家族へのお知らせ
当院では、以下の臨床研究を実施しております。この研究は、通常の診療で得られた情報の記録に基づき実施する研究です。このような研究は、「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針(令和3年3月23日制定 令和3年6月30日施行)」により、個別同意取得を原則としておりますが、困難な場合は対象となる患者さんのお一人おひとりから直接同意を得るのではなく、研究内容の情報を公開するとともに、参加拒否の機会を保障することとされています。この研究に関するお問い合わせ、また、ご自身の診療情報が利用されることを了解されない場合は、以下の問い合わせ先にご連絡ください。利用の拒否を申し出られても何ら不利益を被ることはありません。
1.研究課題名 急性尿細管壊死を合併したネフローゼ症候群を呈する巣状分節性糸球体硬化症における近位尿細管基底膜へのIgG沈着に
関する研究
2.研究期間 西暦2022年3月14日 ~ 西暦2025年2月28日
3.研究機関 産業医科大学病院
4.実施責任者 産業医科大学医学部第2病理学 教授 中山 敏幸
5.研究の目的と意義
この研究は、産業医科大学医学部第2病理学教授中山敏幸を研究代表者とする多機関共同研究です。
微小変化型ネフローゼ症候群と巣状節性糸球体硬化症は大量の蛋白が尿中に漏れ出る病気です。微小変化型ネフローゼ症候群では、アルブミンという蛋白のみが尿中に漏れ出るが、巣状分節性糸球体硬化症などのその他のネフローゼ症候群を来たす疾患では、アルブミンのみならず、分子量の大きいIgGという蛋白が尿中に漏れ出ることが知られています。巣状分節性糸球体硬化症の患者さんの腎臓では、糸球体で生成される尿中にIgGが漏れ出ることにより、近位尿細管上皮にIgG沈着する可能性が考えられます。この現象に関しては、これまでに同様の報告が無いため、検討が必要です。本現象が証明された場合には、尿細管にIgGの沈着を認めた際の新たな鑑別診断として本現象を挙げることが出来るということ、また、原因不明のネフローゼ症候群、急性尿細管壊死の症例で、IgGが尿細管基底膜や近位尿細管上皮に沈着する現象を認めた際には、早めの疾患特異的な治療選択につなげることが出来ると考えられます。
6.研究の方法
2011年1月から 2020年12月までの期間に、産業医科大学病院で巣状分節性糸球体硬化症、あるいは急性尿細管壊死と腎生検で診断された方を対象とさせていただきます。過去に採取され当院に保管されている生体試料及び診療情報のみを用いて研究を行うため、新たに患者さんに負担が生じることは一切ありません。まず、患者さんの臨床所見(年齢、性別、薬剤投与歴、血液学的検査、血液生化学検査、尿検査)の情報を病理検査依頼書より収集させていただき、腎生検の病理組織学的所見を再度、詳しく評価をさせていただきます。その後に匿名化処理をおこないます。また、腎組織に対して、市販されている抗体による蛍光免疫染色を行って、定量化・評価を行います。臨床所見と腎生検所見と免疫組織化学染色の所見の関連性を明らかにするために、市販の統計ソフトを用いて統計解析を行います。また、電子顕微鏡にてさらに詳細な観察を行います。
7.個人情報の取り扱い
本研究では対象者氏名や生年月日、住所などの個人情報を必要としないため、研究者はそれらの情報を保持致しません。生体試料や診療情報には匿名化処理を施して対象者を特定できないようにし、任意の識別番号を別途付与して取り扱います。生体試料を用いて作製する染色用組織標本や研究に関わるデータ等は所定の管理センター(産業医科大学医学部第2病理学教室)において管理し、研究終了報告日から5年又は最終の研究結果報告日から3年を経過した日のいずれか遅い日まで保存した後に廃棄致します。その際には、完全に匿名化していることを確認した上で、電子媒体は、復元できないよう初期化を行い、紙媒体はシュレッダー処分を行います。生体試料の利用拒否のご連絡を頂いた場合には、直ちに同様の方法で標本やデータ等を廃棄し、研究対象から除外させていただきます。
8.問い合わせ先
産業医科大学医学部第2病理学 教授 中山 敏幸
〒807-8555 北九州市八幡西区医生ヶ丘 1−1
TEL 093-691-7426 FAX 093-603-8518
9.その他
本研究は、産業医科大学利益相反委員会ならびに臨床研究審査委員会の承認を得ています。なお、研究参加に関して費用の負担や対象者への謝礼はございません。また、本研究の成果に基づいて生じる可能性のある知的財産権は産業医科大学に帰属します。
産業医科大学病院及び産業医科大学若松病院において平成20年1月から平成25年12月の間に胃癌と診断され外科的切除をされた患者さん及びそのご家族の方へのお知らせ。
当院では、以下の臨床研究を実施しております。この研究は、通常の診療で得られた情報の記録及び試料を用いて実施する研究です。このような研究は、「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針(平成26年12月22日制定 平成29年2月28日一部改正)」により、対象となる患者さんのお一人おひとりから直接同意を得るのではなく、研究内容の情報を公開するとともに、参加拒否の機会を保障することとされています。この研究に関するお問い合わせ、また、ご自身の診療情報が利用されることを了解されない場合は、以下の問い合わせ先にご連絡ください。利用の拒否を申し出られても何ら不利益を被ることはありません。
1.研究課題名 胃癌の所属リンパ節におけるCD169陽性マクロファージと胃癌の生命予後の関連性
2.研究期間 平成30年12月 ~ 平成33(2021)年11月
3.研究機関 産業医科大学病院
4.実施責任者 第2病理学 教授 中山 敏幸
5.研究の目的と意義
本研究は、熊本大学生命科学研究部細胞病理学分野 菰原 義弘教授を研究代表者とする二施設共同研究です。本研究では、胃癌の手術で同時に切除されたリンパ節に存在する特殊なマクロファージの免疫組織化学染色の発現を評価し、腫瘍免疫の関与、予後との関連性について検討します。マクロファージとは生体内で死んだ細胞の破片や生体内に侵入した細菌などの異物を捕食し消化することで清掃の役割を果たしている細胞です。癌に対しては、その死んだ細胞を捕食することで腫瘍に対する免疫細胞を活性化することで、免疫細胞が癌を攻撃し、抗癌効果が得られると言われています。今回研究では、実際の患者さんの組織検体を使用して癌の周囲にあるリンパ節内のマクロファージがいるかどうかで患者さんの予後の差を調べるというものです。マクロファージと大腸癌や膀胱癌、悪性黒色腫などとの抗癌効果の関連性は熊本大学の上記研究室で論文発表されていますが、胃癌での関連性はまだ示されていません。
胃癌は本邦で死亡数が3番目に多い悪性腫瘍であり、Stage3以上の症例では5年生存率が50%を下回っているのが現状です。そのため、本研究を通じて腫瘍免疫や予後因子について評価することは必要と考えています。
6.研究の方法
通常診療にて取得された診療情報等(年齢、性別、病変の組織型、発生部位、腫瘍径、深達度、リンパ節転移の有無、再発の有無、予後など)を用いて、一般的な胃癌の評価を行います。その後、外科切除の際に採取された試料(パラフィンにより固定された組織)を使用し、所属リンパ節内にCD169陽性マクロファージという癌の死んだ細胞を捕食して癌に対する免疫細胞を活性化する細胞がいるかどうか、腫瘍部でのCD8陽性T細胞という癌を攻撃する免疫細胞がいるかどうかを、免疫組織学的方法を用いて解析し、二つの細胞の関連性を検討します。利用する試料・情報は、病理標本、パラフィンに固定された組織、年齢や性別、病歴、画像所見、診療情報提供書などカルテに記載されている臨床情報、手術記録です。
7.個人情報の取り扱い
生体試料及び個人情報は研究実施責任者の厳重な管理の下、特定の個人を識別することができないようにし、本学第2病理学講座において厳重に保管します。生体試料や個人情報については当該研究の論文発表後5年間保管し、その後に生体試料及び個人情報は匿名化の上、廃棄します。
利用の拒否の申し出があった場合には、本研究には使用せず、その時点までに得られた生体試料及びデータは本人を特定できなくし、廃棄します。相談がある際には随時対応いたします。
8.問い合わせ先
産業医科大学医学部第3内科学 修練指導医 熊元 啓一郎 093-691-7437(内7170)
9.その他
本研究参加による直接的な利益はありません。すでに存在する診療データと生体試料を使用して行う後ろ向き研究であるため、対象となる患者さんに新規の医療行為が行われることや侵襲を伴うことはありません。本研究は、研究開始時に患者の試料や情報について匿名化し実施するため、基本的にはそれぞれの結果から対象者の特定ができないようにしていますが、自身の生体試料を使用した実験の結果の開示を希望された場合は、本学第2病理学研究室の保管庫に厳重に保管してある対応表を用い、個別に開示いたします。また、経済的負担や謝礼などは特にありません。本研究は一切の利益相反はなく、産業医科大学利益相反委員会の承認を得ており、公正性を保ちます。