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循環器外来診療における患者報告アウトカム収集システムの開発 -患者さんのニーズに沿った医療の提供を目指して-

 慶應義塾大学病院医学部スポーツ医学総合センターの勝俣 良紀 専任講師、同内科学(循環器)教室の山下 修平 研究員らは、慶應義塾大学が採択されたAIホスピタル事業の中で、比較的高い頻度で見受けらける循環器内科領域での三疾患(心不全、心房細動、狭心症)の患者さんが、スマートタブレットで症状や生活のしやすさ、治療への不安や満足度などを定量的に評価・収集できる ePRO(electronic Patient-Reported Outcome: 電子的患者報告アウトカム)システムを中部電力株式会社と共同開発しました。
 さらに慶應義塾大学病院及び産業医科大学病院などによる多施設共同研究を通じて、このシステムが循環器外来診療における患者さんの満足度や医師の説明の質を向上させるか否かを検証し、その結果として、ePROシステムが、複雑化する医師と患者間のコミュニケーションを改善し、医師の治療説明の質及び患者さんの病気の理解度を高めることを実証しました。
 実用可能なePROシステムの開発は大きな課題でしたが、今回の成果により患者さんが症状や治療への不安・満足度などを正確に医師と共有できる基盤が整備できました。
 本研究の結果は、2025年1月14日(米国東部標準時)に国際学術雑誌JAMA Network Open電子版で公開されました。

報道発表資料はこちらをご参照ください。